第5話 使命に燃えて? 1 (出会い)改訂
「危ない!教頭、伏せろ!!」
ベルフィールの声で、岸川教頭は、転がりながら敵の攻撃を間一髪で避けた。
「ベル!敵の胸を狙って攻撃するんだ!」
ベルフィールは、魔法で火炎弾を打つ体制に入った。態勢を低くして右手を敵に向けて真っすぐに伸ばた。
≪………万物の精霊達よ!我に力を与え給え!
目前の悪霊に炎の小弾を打たせよーーーーー≫
途端に、人差し指の先から、小さな火の玉が飛び出し、敵に向かって命中した。
学校の中庭で跳び回っていた1体の悪の化身は、あっという間に消えてしまった。
「よくやった、ベルフィール……(ふっ、これで安心かな……)」
☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・
「(……そう、新学期の頃は……そう思っていた……
何せ、突然の兼職命令だったしなあ~)…・・・ ・ ・ ・ ・ ・」
「
どうして、僕が一人で、この町を守らなければならないですか?」
「えーとね、町を守るんじゃなくて、町の学校を守る
いつも冷静な校長は、どことなく他人事のように話していたが、
今日はガラにもなく、教頭にアドバイスをくれた。
「この手帳をあげよう、これで君も岸川隊長だ!頑張り給え!」
★ ★ ★ ★ ★ ★
「(最初は、僕も正直嬉しかったさ……、
召喚した時は、びっくりしたけど………、
きれいだったし………、
強いし………、
最初は少しクールに見えたけど………、
かっこよかったもんな………)…… ・ ・ ・ ・ ・」
「………お前か?………召喚したのは、お前かと聞いているのだが……」
「は、はい……そうです……僕が……召喚しました」
岸川教頭が、校長にもらった手帳。
その38ページに書いてある魔法陣を使って召喚したのは、エルフだった。
身長は教頭と同じくらいだ。
スレンダーな体格に似合わないメリハリの利いたボディーは、男性はもとより女性も釘付けにしそうだった。
エルフの特徴である耳は、やや尖ってはいるが、それほどでもない。
腰まで伸びた黒い髪の毛の中に隠れてほとんど見えなくなっている。
髪質は、長いわりにウィーブが掛かり、ボリューム感があった。
不思議なことに、召喚され時の服装は、紺色のパンツスーツだった。
スーツの中は、水色のワイシャツに赤いネクタイをしていた。
まるで、どこかのオフィスレディのようだった。
「なら、お前が面倒を見るんだな……任せたぞ!」
★ ★ ★ ★
「(確かに『はい』とは、言ったが……
防衛隊の隊長としてだと、思ったのに……)
ベル、他に洗濯物はないのか?
この際だから、何でも洗ってやるから、持ってこい!」
「おー今、持って行くからちょっと待て……」
アパートの隣の部屋から山盛りの洗濯物を抱えて、ベルフィールがやってきた。
「何?こんなに貯めたのか?……何、やってんだ…………??
………いいのか、これを僕が洗っても?」
「構うもんか!……悪を倒すためだ……このくらい……どうってことはない!」
「そうかなあ???」
■□■□
こんな感じのベルですが、詳しくは「ベルちゃんのため息」の自己紹介で
https://kakuyomu.jp/works/16817330668420483875/episodes/16817330668420537539
☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・
「(・ ・ ・ ・…と、まあ1ヶ月が過ぎようとしているが、
二人だけの防衛隊だからな~)……ん?ベル、給食室の方から悲鳴が聞こえた ぞ!」
学校で、日常の業務をこなしながら、
巡回警備をしていた岸川教頭とベルフィールは、給食室から異常な気配を感じたのだった。
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