第2話 そこは、ダメ!!! 2 (運命の赤ランプ)改訂

☆ジャジャジャジャーン ヒューヒュー キャーキャー


「ああー押しちゃったねベル!(やったー)、まあ、仕方がない。

…………次は、その横のハートのマークも頼むね!!…………」


「……じゃあ教頭、ちょっと戻って押してくるから……」

「ごめん、ごめん、ベル、気にしなくていいから、早く赤いランプを押してくれ!」

「どうして?戻らなくていいの?……ハートマーク増えないよ?」

「今はいいの!それより早くしないと、煙で、俺たち死んじゃうぞ!」

「うん、わかった、それじゃあ、今度こそ、赤いラ・ン・プのボタン!!」

 

 ピンポーーン♬

 


 ベルフィールがボタンを押すと、消火栓から勢いよく消火ホースが飛び出してきた。

「よし、成功したよ!教頭。……今度は、魔法で煙を消すから待ってろよーーー」


 彼女は、両手を胸の前で組み、消火ホースに向かって魔法の呪文を唱えた。


≪……万物の精霊達よ!我に力を与え給え!

すべての悪煙をその中に吸引せよーーー!!≫


消火ポンプのモーターが逆回転し、みるみるうちに煙は吸い込まれ、あっという間に煙の中に隠れていた悪の化身は、白日の下に現れた。


「ベル!今だ、とどめを!」

 教頭が叫ぶと同時に、ベルフィールの右手から電光石火の雷が飛び出し、人型の化身は、あっという間に吹き飛んでしまった。


「やったぞ!教頭、悪党をやっつけたぞ!!」

 飛び上がって喜ぶ彼女を少し冷めた目で見る教頭だった。


それでも教頭がベルフィールを労おうと、彼女に近づいた時、微かだが足元で異様な物音に気付いた。

「どうした?教頭……」

 彼女も足元の異変に気付き、思わず教頭にしがみついた。


 すると突然


   ####ブッワワッシシャアアアアーーー####


と、ものすごい破裂音と共に、足元から噴き出した大量の水が教頭とベルフィールを水浸しにした。


 何と、先ほどベルフィールが逆回転させたポンプがそのまま回り続け、水道の元栓のところで水が飽和状態になり破裂してしまったのだった。


「わあーーん!教頭――。パンツまで、びしょびしょだーーーー」


 全身水びたしで、“水も滴るエルフ”のでき上りだった。


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