守れ僕らと学び舎を!出向エルフの期限付きヒーロー?

根⛵九里尾

プロローグ 日常

第1話 そこは、ダメ!!! 1 (突撃の矢印)改訂

「大丈夫か?ベル!……今、そっちへ行くから待ってろ」


「来るな!…ゴホッ…こっちは……だ…ゴホッ、だい、大丈夫だ…ゴホッ、ゴホッ…」

 長い廊下に立ち込めた灰色の煙は、岸川きしかわ教頭と主幹のベルフィールを隔ててしまった。


「ベル、廊下には消火設備の非常ボタンがあるはずだ!

赤いランプが目印だ!……探せ!」


「ああ…ゴホッ、わかったよ……ゴホッ……でも見えないんだ!…ゴホッ……くそっ」

 煙のせいで、咳が出て、目も霞んできた彼女は、必死に前へ前へと進もうとした。


 しばらくもがくと、手の届きそうなところにボンヤリ光るものが見えた。

「教頭、光の塊があったよ……」


「よし、早く、そのボタンを押すんだ………」


「ボタン?……矢印みたいだよ!!………」


「いや待てベル!……違う、矢印じゃないぞ!

赤いボタンだ!……下向きの矢印じゃないぞ!!

……間違うな……ベルーーーーーーー!!!!……」


「え?……ゴホッ……教頭……聞こえないぞーーーこの矢印だろ?……押すぞ!」


「ベルーーーー押すなーーーーーーー

……………矢印を押すなあああ~~~~~~」



ぽちっ!



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