第2話

門をくぐり、少し進むと、看板があり、「こちらで、身分の確認を行います。前の机へ向かってください。」と書かれていた。

看板の少し前には、すでにたくさんの生徒が並び、列ができていた。

僕も列の最後尾へ並び、順番が来るのを待った。3分ほどたった時、僕の番が来たらしい。

優しそうな顔立ちの眼鏡をかけた人がこちらへ話しかけてきた。

「次の方、こちらへどうぞ。」

僕は言われた通り、その人の机の前に行った。

「名前と出身地を言ってください。」

「ジズといいます。出身は隣町のマリナです。」

「はい。私はウィムといい、この学校で教師をしています。」

どうやら、この人はウィム先生というらしい。優しそうで、少し気だるげにも感じる、25歳ほどの若い先生だ。

「あなたの名前を探すのでちょっと待ってくださいね。」

「あった、、はい。顔写真も本人ですね。問題ないので、次に看板に従って奥の建物へ向かってください。」

「ありがとうございます。」

僕はお礼を述べ、先に進もうとした。

「あ、そうそう。君は僕のクラスなので、僕の名前はしっかり覚えておいてくださいね。」

忘れないとは思うが、しっかりと覚えておこうと思い、返事をしてから建物へと歩き始めた。

少し歩き、建物の前へとついた。建物の前では、別の先生が案内をしていた。

「身分確認を終えた方は、クラスごとに分かれて座ってくださいね。自分のクラスがわからない人は、右にある案内図を見るか、私へ聞いてくださいね~。」

僕は、案内図から、ウィム先生のクラスと自分の名前を探し、その場所へ向かった。

自分の椅子へ着き、僕は座った。隣にはすでに生徒が座っており、僕が座ったのを見て、話しかけてきた。

「あんたがジズか?俺はウォード。よろしくな!」

「僕はジズ。隣町のマリナから来たんだ。よろしくね。」

彼はウォードというらしい。金髪で、少しガタイの良い、元気そうな少年だ。

「君はこの町の出身?」

「おう。親父がこの町で鍛冶屋をやってんだ。武器や生活に必要なものはうちで買ってくれよな!」

そんなことを話していると、全生徒がそろったのか、前にある檀上以外の照明が消え、6人の先生らしき人が壇上へ現れた。

「皆さん。入学おめでとうございます。これから一年間と、長いようで短い期間、この学校へ通っていただきます。」

少し年配で立派な髭の生えた、だけどルーンおじさんよりは若そうな男性が代表してあいさつを行った。

「まずは、皆さんがお世話になる。先生方の紹介です。」

「それでは、私から。私はウィルベル。この学校の校長を務めています。」

とても風格のある、だけどどこか優しそうな眼をした、人当たりのよさそうな校長先生だ。

「では、ウィム先生から左に順番にお願いします。」

「ウィムと申します。学校では、自身のクラスの担任と、警備を主に行っています。よろしくお願いします。」

「続きまして、わたくしは、シュリエ。学校では主に保険医、施設管理をしています。皆さん。よろしくお願いしますね?」

ウィム先生、シュリエ先生に続き、次々と先生が自己紹介を行った。

まとめると、「僕とは違うクラスの担任兼備品管理のマル先生。」真面目そうな、だけど、どこかおっちょこちょいそうな女性の先生。

「同じく、違うのクラス担任兼寮長のケリン先生。」運動が得意そうな、さわやかな先生。

「料理長のモルツ先生。」すでに調理をしていたのか、白の調理服を着ていた。

「先生の紹介は以上となります。では、私から、皆さんに一言、

新入生の皆さん。やりたいことはありますか?なりたい職業は?行ってみたい場所は?それらの欲望は自身の原動力です。

欲望と聞くと聞こえは悪いですが、欲望はまぎれもなく私、そして、あなたの心の一部です。決して、自身の欲、自身の心の声から目を背けないように。自身の思うまま今を生きてください。」

「今はまだあいまいな内容の言葉だと思いますが、同じ言葉を卒業の際、再度言います。私は、その時の皆さんの心に、この言葉が響くようになることを願います。

では、皆さんは先生の案内に従い帰宅、もしくは寮へと向かい、本日は体を休めて明日から勉強を頑張ってください。」

「それでは、皆さんの学生生活が良いものになるよう、先生一同は願っています。では、解散となるので、出口から近い人から順番に退出をしてください。」

そういい、教師は各々の案内場所へと向かった。

「学生寮へ入寮する人たちは、僕の元へ来てください」

とケリン先生が言っていたので、僕はケリン先生の元へと向うことにした。

「じゃあ、また明日。」

「おう。また明日!次はもっと話そうぜ。」

「ありがとう。楽しみにしているよ。」

僕はウォードに軽く挨拶してから、ケリン先生の元へ向かった。

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