変な音(夏目漱石)

ごしごし、ごそごそ、ごしごし。

夜遅く、隣の病室からそんな音が聞こえて来たら、あなたは何を想像しますか?

これは、入院時の奇妙な現象について綴った短編小説です。…あ、安心してください。ホラーじゃないですよ!!



まずは、軽くあらすじをーー


入院して、夜中一人で物思いにふける主人公。物音一つしない空間の中、主人公はごりごりという音がすることに気が付きます。

実際に見て確かめる訳にも行かず、かといってその不思議な音を意識しないこともできず、落ち着かない気持ちのまま時が過ぎていくのでした。





この小説は上下に分かれており、下で音の正体が明かされます。

最初に主人公が不思議な音を聞いた時、彼は「大根おろしてんのかなぁハハハ」とかなんとか想像をめぐらすのですが、彼が今いるのは料理どころか菓子類すらも禁じられた病室。そんな訳がありません。じゃあ結局、一体全体なんの音が響き渡ってるんだろう?

……うーん、気になる!だけど、実は、私が読んで最も感動したのはそこじゃないんです。


私が最も感動したところ、そして読む際に一番注目して欲しいところは、【上では主人公目線でしか文が綴られていない】こと。

一見「いやそりゃそうやろ」とつっこんでしまいたくなるとは思いますが、実はこれが下巻を読んだ時に「あっ」と思うキッカケになるんです。見たらわかる、洗練されたやつやん。

みなさまも、読む際は『目線』に気をつけて読んでいただけると嬉しいなあと思います。



今回はあくまでも「紹介」ですから、このへんまでにしておきましょう。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。今回は本文の長さの影響もあり、この記事の文字数も短めですが、どうかご容赦ください。

ちなみに、上下は一気に読んでしまうことをオススメします。青空文庫ではセットで公開されていますので、ぜひお気軽に読んでみてくださいね。感想は、また別の記事でお話させてください。

それでは、また別の記事でお会いしましょう!

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