数百円で買える幸せ。そんなささやかな時間や喜びこそが、人生を物凄く豊かにしてくれる。短い時間のちょっとした楽しみって、凄くいいなぁ…と思わされる良いエッセイでした。
「オタク」という言葉が蔑みのニュアンスを帯びてこの社会にデビューして、四十年近い月日が流れました。「ポジティブ」「未来志向」「プラス思考」「前向き」という言葉が人々を駆り立て、空虚な「リア充」「陽キャ」が市民権を振るい、人の心が抱える悲しみ苦しみ痛みは「クライ」と簡単に切り捨てられ顧みられなくなりました。「オタク」は素敵な趣味、一人遊びが楽しめるのは何よりの財産。「オタク」を差別用語に貶める社会は、戦争をたやすく誘き寄せかねないとさえ感じます。