第21話 リカルドという男の生い立ち

リカルド・アンドリュー・ゲートリッヒ

77歳


イタリアンマフィアのボスを父に持ち幼少期を過ごす


本人はマフィアの息子であるにも関わらず正義感に溢れた少年であった


悪どい事をしてる同級生を粛正して回る毎日


気がつくと舎弟が沢山いるようになった


その流れで父の跡を継ぐと裏社会で手に負えない悪党を人知れず成敗し始めた


人脈を使い調べて裏付けを行い、時には警察に協力して逮捕劇を行う事もあった


そんなに中で留学にイタリアに来ていた亜梨沙と出逢い恋に落ちた


口説き落として妻とした後は彼女の手も借りながら裏社会の清掃とも言える活動を続けて行った


亜梨沙の兄の亜乱の後ろ盾として協力したり事業を始める時は敷金を出したりもした


その代償として新作を作った時などは真っ先に試食させてもらう権利を貰った


亜乱にはそんな事で良いのか?と尋ねられたが、リカルドは笑ってワイフの兄に変な事させられねぇからな…と言ったらしい


亜梨沙の実家にも必要な時は助け舟を出したりした。もちろん葛城家の人々を陥れようとする輩は制裁して行った


通り名は裏社会の清掃屋である


表の家業は実業家だ


あらゆる分野に進出して牛耳っている



なのでリカルドの後ろ盾が有れば事業に失敗する事は無いと言われているのだ



その代わりに敵に回せば日の目を見られなくなるとも…



ジャン・ポール・デマジオも敵に回してはいけない相手の逆鱗に触れた為に表社会から姿を消す結果になったのだ


もちろん裏社会でも彼を助ける者はほぼ居ない事は言うまでも無いであろう



葛城家の面々もリカルドが所有するプライベートジェットに乗せられてイタリアに来たのだった


南條公彦はリカルドの圧力のお陰で休暇として来ることが出来たのだ



日本では南條の空席を埋めるべく部下や上司が働き蜂の如く忙しなく動いている事は知る由も無い



バイヤーである紫堂光太郎は仕事の延長線として勉強がてら参加していた


柳と連絡先を交換出来た事も今後の仕事に活かせるようになるのだが、この時点では彼がそれを知る由は無かった



時緒はTime taleのオーナーパティシエとして、山吹はパティシエのリーダーとして今後も活躍するのであった


姉妹仲良く仕事をする様子は常連客の癒しにもなっていた


それを知ったリカルドも全面的に応援してくれると約束してくれた


リカルドは本当に葛城家の人々が大好きなのだ


そんな夫を優しく見つめる亜梨沙は幸せそうであった


この日…葛城亜斗夢はリカルドにこう言ったという


「妹が君と出逢えたのは運命だったようだ…これからも皆んなの事を宜しく頼むよ」



それがリカルドと交わした最後の言葉になるとはこの場にいた誰しも思って居なかった

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