第19話 武蔵くんモテ期到来 春が来た
さてさてあとむやとパティスリーTime tailは連日大盛況なのですが雑誌に取り上げられた事により武蔵にもモテ期が到来するのでした
あとむや4代目を支える弟として乗った事が多くの女性の目に止まり、兄弟揃ってイケメンである為フリーである武蔵目当ての女性客も押し寄せる事になっていた
常連客に加えて若い女性ファンも押し寄せ大賑わいになっていた
もちろん売り上げの方も上々で女性客をターゲットにした新たな創作和菓子を作ったり、店を増築してイートインコーナーを作ると更にお客様が増えていった
武蔵も女性客から手紙を貰ったり連絡先を聞かれたりと時折もみくちゃになりながらも仕事に励んでいた
クールぶってはいたが内心かなり喜んでいる武蔵なのだった
そんな彼に静かに熱い視線を送るうら若き女性がいた
ある日店じまいしている武蔵の元へその女性がやって来た
「すみません…今日はもう店じまいなんです」
「いえ…今日は葛城先輩に用があって来たのです」
「え?先輩って…あっ!」
武蔵はその女性に見覚えがあった
中3の年の卒業式の時に手紙を渡された子だった
まだその頃は武蔵は恋愛に興味が無くて振ってしまったのだった
とても可愛らしい子で武蔵はずっと忘れられずにいたのだ
「あの時はごめん…外では何だから中に入って話さない?」
武蔵の部屋で昔話に花が咲いた
「所で僕に用って何かな?」
「私をここで雇って欲しいんです!」
「ええっ!それは僕の一存では出来ないよ。父さんに聞いてみないと…」
するとドアをノックする音がした
「失礼するよ…」
そう言いながら父の東吾が部屋の中に入って来た
「父さん!まさか話を聞いてたの?」
東吾は照れ笑いしながらこう言った
「隣の部屋だから聞こえてしまってね〜見習いとして雇っても良いよ」
「マジかよ!」
「本当ですか?ありがとうございます!」
「早速明日から来れるかい?」
「はい!お願いします!」
こうして彼女…松浦早苗はあとむやの見習いとして務める事になった
武蔵の側で和菓子の基礎を学びながら精進していく彼女はメキメキと頭角を表すのだった
そしていつしか武蔵の右腕として無くてはならない存在になっていった
それは公私共に…
2人の心は次第に近づき公認の仲になっていった
そして数年後…あとむやから暖簾分けしてカフェをオープンさせるのだった
カフェの名は「古民家安らぎカフェこもれび」
武蔵と早苗の2人で切り盛りするカフェは連日賑わいを見せた
そして雑誌に取り上げられてますます大盛況になるのだった
雑誌の見出しにはこう書かれていた
「夫婦二人三脚で切り盛りする古民家安らぎカフェこもれび」と
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