第11話 リカルドの正体

東吾は娘である時緒の捜索を叔母達に託して自身は何やら調べ物を始めた。


「リカルドさん…あの人只者では無いようですね…少し調べてみますか…」


そう呟きながらパソコンを操作し始めた



○○○○○



亜梨沙とリカルドは東吾が割り出した時緒の居場所へ急いでいた



「どうか間に合って…あの子と同じ目に合わせたく無いわ」


「俺が付いてるから大丈夫だ…あいつにはこの手で引導を渡してやらないと気が済まないからな」


「頼りにしてるわ」



リカルドは倉庫の近くにいた部下に指示して様子を伺わせていた


そして何かあればジャンを止めろと指示していた



○○○○○



その頃時緒はピンチに陥っていた


後ろ手に縛られて下着姿にされていたからだ



「こんな事してただで済むと思っているの?」



「相変わらず冷たいねぇ〜まぁそんな所も魅力的なんだけどね」



笑顔を見せるジャンを睨みつける時緒



緊張感が走る



「そこまでだ!」



誰かがそう言い放つと同時に何かの破裂音が聞こえた



次の瞬間、ジャンは腕を押さえて片膝を付いた



「うっ…何者だ?」



そこに現れたのは…



「リカルドさんと亜梨沙おばあちゃま?何故ここが?」



「東吾が時緒に持たせたGPSの電波をとらえたのよ。どうやら間に合ったようね」



GPS?もしかしてあのキーホルダーが?!



リカルドは時緒に来ていたジャケットを羽織らせた


「大丈夫か?あとは俺達に任せな」



リカルドは銀河万丈ばりの渋い声でそう言うとジャンを睨みつけた



「テメェは許しておけねぇな…俺のワイフの甥っ子の娘にまで手を出すとは見下げた根性だぜ〜」



「??あんたの恨みを買った覚えは無いぞ?」



「エリザベス・ゲートリッヒと言う名前に覚えはあるか?」



「エリザベス?ああ…俺をコケにした女か…クスリ打って抵抗出来ないようにして犯しまくってから捨てた女だったっけな?」



「そう…その女は俺の孫娘なんだよ!可哀想に廃人みたいになっちまって…テメェのせいでな!」



「ふん!だったら何だよ…金の力でいくらでも揉み消せるぜ?」



「そうは問屋が下さないぜ?テメェは俺の制裁を受けるんだからな今から!」



リカルドはそう言うと銃をジャンのこめかみに突きつけた



「なっ…そんなもの持ってるなんて何者だよあんた」



「リカルド・アンドリュー・ゲートリッヒっていやぁ裏の世界じゃちったぁ名は通ってるハズなんだがなぁ…」



その名前を聞いたジャンの顔はみるみる青ざめていく



「リカルド・アンドリュー・ゲートリッヒだって?裏社会の大ボスじゃねぇか!あんたがそうなのか?」



「そうだ…いわゆるゴットファーザーってヤツだ」



何とリカルドはイタリアマフィアの大ボスだったのだ



「嘘だろ…そんな大ボスの孫娘だったなんて…知らなかったんだ!許してくれ!」



「テメェはこの手で制裁を加えないと気が済まねぇ…生きたままコンクリート詰めにでもして海に沈めるか…」



「ひぃぃぃぃぃ…た…助けてくれ〜!」



あまりの恐ろしさにジャンはその場に座り込んだまま失禁してしまった



「こんな小物にやられるとは…あの子が可哀想だな」



「そこまでだ!その銃を捨てろ!」



その声の主は南條公彦だった



「南條くん!来てくれたのね」



「時緒ちゃんは何とか無事みたいだな…リカルドさん…貴方にこれ以上罪を犯させるわけにはいかない…この場は俺に任せてくれませんか?」



リカルドは時緒から南條の事を聞いた



「そう言う事なら…ジャンの処分は君に任せよう…頼むよ」



「わかりました…貴方達は他の警察官が到着する前にこの場を離れて下さい」



「ああ…助かるよ…君には借りができたようだな…」



リカルドと亜梨沙は急いでその場を離れた



しばらくすると他の警察官も駆けつけてジャンは逮捕されるのだった





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