第7話 ストーカーの正体

ジャン=ポール=デマジオ


フランスの起業家レイモンド=ハロルド=デマジオの子息で不動産業を営んでいる男だ


パリで修行中の時緒に出会い一目惚れしたのだった


何度もアプローチするもことごとく振られていた


いつしか彼は時緒に付き纏いストーカー行為を行うようになっていった


祖父に相談すると修行期間を20歳までとしていたのを2年早めて帰国させてくれたのだった


店にジャンが訪ねて来ても決して時緒の行方を話さず断固として拒否していたのだが、時緒がメディアに取り上げられた事によって居場所がバレてしまったのだ


翌日、時緒の元へ叔母であるミレット・カツラギこと葛城麦がやって来た


「ごめんね…私が時緒の服をデザインするなんて言ったばかりにこんな事になるなんて…」


「麦ちゃんのせいじゃ無いわ…気にしないで!彼とはいずれ向き合わなければならなかったの…逃げてばかりでは何も解決しないから…」


それを聞いた麦は驚きの表情を浮かべた


「時緒って意外と打たれ強かったのね…流石は東吾兄さんの娘ね!」


「お父さんがどうかしたの?」



「うん…昔兄さんは『あとむや』の跡取り息子だった為に上級生にたかられていたらしいわ…でも兄さんは金品を渡さずに店の和菓子を食べさせて感想を聞いたりしていたらしいわ」


「それで?」


「それをお父様に伝えて商品開発のヒントにしていたらしいのよ…なんと言うか逞しいわね」


「殴られたりしなかったの?」


「そこよね…実は兄さんって合気道の有段者で暴力を受けようとすれば持ち前の技で蹴散らしていたそうなのよ…涼しそうな顔してそんな事するものだから一目置かれる存在になったそうなの」


「マジで?なんか凄いんだねお父さんって…」


「でしょう?だから私も兄さんの事は凄く尊敬してるわ」



そんな話をしているとそこにジャン=ポール=デマジオが現れた



「トキオ〜また会いに来たよ!」



「来たわねストーカー男!時緒に手ェ出したらタダじゃ済まないわよ?」



「oh〜怖い怖い…今日はプレゼントを持って来ただけだよ〜受け取ってくれると嬉しいな」


彼が懐から取り出したのはこじんまりとしたプレゼントボックスだった


「開けてみておくれ」


時緒が恐る恐る開けてみると中身は綺麗なブローチだった


「僕から君への愛の証さ!」


「ふ〜ん…なかなかやるじゃ無い!ただのストーカーじゃ無かったって事ね」


「さっきから酷いなぁ…ミレット・カツラギがトキオの叔母さんだったなんて驚きだよ」



「とりあえずこれは貰っておいてあげても良さそうだから頂くけど変な真似しないようにね」



「信用無いんだなぁ…まぁ今までが今までだから仕方ないんだろうけどさ。じゃあまた来るよ!」



そう言ってストーカー男は去って行った



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