第6話 話題沸騰
叔母である葛城麦がファッションデザイナーのミレット・カツラギである事が判明し、時緒のパティシエの服をプロデュースする事が半ば強引に決定した
「まさか麦ちゃんがファッションデザイナーだったなんて…」
葛城麦は若い頃フランスのパリに語学留学していた
その時にファッションデザイナーとしての勉強もしていて若くしてその才能を開花させていたのだった
その時についていたあだ名が麦を英語読みにしたミレットだった為にそれをそのままファッションデザイナーとしての名前として使ったのだ
「私も留学中は亜乱叔父様のお世話になっていたのよ。色んな所に口利きしてくれてね〜感謝してるわ」
「とびっきり素敵な時緒にピッタリな服を作ってあげるわ!」
麦はデザイン画を時緒が働いてる姿を見ながら作っていた
そして2週間ほどした頃、服が完成した
それは可愛らしい中に上品さがあり、かつ動きやすく作られていた
スッキリとして洗礼されたデザインは話題を呼んだ
そして話題沸騰した時緒の元に招かざる訪問者がやって来た
有名百貨店での特設スペースでの販売は好評で期間延長されていた
時緒はこの日も慌ただしくケーキ作りに励んでいた
アルバイトも2、3人雇って順調に進んでいた
アルバイトの女性が時緒の元に驚いた様子で飛んで来た
「あの!表に時緒さんを訪ねて外国人の男性がお見えです」
「私にお客?誰かしら…」
行ってみるとそこに居たのは時緒にとって天敵と言える人物であった
「トキオ〜会いたかったよ〜」
いきなり抱きついて来ようとするその男を交わした時緒は焦った表情でこう言い放った
「貴方…どうやって私の居場所がわかったのよ!」
「oh〜冷たいじゃ無いか…君の事はメディアで取り上げられて話題沸騰だよ!活躍はフランスにも届いていてね〜やっと見つけたよ」
「私に近づかないで!警察呼ぶわよ!」
「ンフフ〜仕方ないなぁ…今日はこれで帰るよ。また来るよ愛しい君に会いにね!」
その日の時緒は仕事帰り、実家の父に頼んで迎えに来てもらった
「どうしたんだい?何があったんだい?」
家に着くと心配した父に尋ねられた
「実は店にフランス留学中にストーカーして来ていた男が現れたの…」
「何だって!前に言っていた確か名前は『ジャン=ポール=デマジオ』か?」
「ええ…まさか日本にまで追いかけて来るなんて…なんてしつこいのかしら…」
「そのトラウマのせいで我が家のトイレの洗剤にサンポールは置かない事になったよね…」
言葉の響きが似ている為に使われなくなった
トイレ用洗剤『サンポール』哀れである
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