再会7
翌朝、まだ体は少しだけ辛いと思うけれど、薬を飲んで寝たおかげで、ずっと楽だった。
志気君達が来るまで、なんとも言えないけれど、登校するには問題はないと僕は思う。
自分の体なのに、そういったことが管理できないので、自分の判断ではなんとも言えないけれど、昨日とは違って、食欲が多少出てきたので大丈夫だとは思う。
いつでも登校が出来るように、顔だけでも洗おうと、洗面台に向かい顔を洗って、歯を磨いてから、再びベッドに戻ろうとしときだった。
「・・・・・・・?」
ごそっと、隣のベッドから、物音が聞こえた。
仕切りがあってよくわからないけれど、誰かいる。
確信は無いけれど、この部屋に人がいるとすれば、それはたぶん僕と同室の人。
あまり寮に帰ってこないと聞いていたけれど、夜遅く、多分僕が薬を飲んで深い眠りについているときに、寝るために帰って来たのだと思う。
一体どんな人が僕の同室なのだろう。
寮長さんはとんでもない不良だと言う事を言っていたけれど、気になる。
怖いけれど、確かめたい。そう思っていたその時、ノックをする音が鳴り響いた。
まだ寝ているのなら起してはまずいと思い、慌てて扉を開けた。
「おはようファボット君、昨日はよく眠れた?」
「お・・・・おはよう、ございます」
「顔色お良さそうだな。体は大丈夫か?」
朝様子を見に来てくれると昨日言ってくれたけれど、今は六時になったばかり、こんなに早く来てくれるとは思っていなかった。
「まだ、少ししんどいですけど、薬を飲んで寝たので、これぐらいなら大丈夫です」
「そうか。それならいいんだが、しんどいなら無理して学校に行く事はないからな?」
心配してくれるのはとても嬉しいけれど、学校をこれ以上休みたくはなかった。
激しく動かなければいいし、大人しくしていればこのぐらいなら問題はない。
「わかり・・・・ました。ですが、大丈夫です」
「分かった。大丈夫ならいいが、無理はしないように」
「ん?ねぇ雄姿、何か物音聞こえない?」
ごそごそと動く回数が増えた。
眠りが浅い証拠だ。多分、もう少ししたら目が覚めると思う。その前にどうにかしたいけれど、出来ないと思う。
「まさか・・・・いるのか?」
「えっ?じゃあ・・・・・」
急に険しい顔になった。警戒している。
それほど怖い人なのだろうか。あったことがないので分からない。
「澄君。大丈夫だったか?何もされていないか?」
「僕はなにも・・・・朝起きたら、隣のベッドにいました。まだ合ってはいません」
「よかったー・・・・」
合っていないと知ると一瞬二人は安心した顔になったが、また険しい顔になった。
「澄君。今すぐ着替えを持ってでもいい、俺たちの部屋に行こう」
「うん、そのほうがいいよファボット君。多分ここにいると危険だ思う。だから早くしたほうがいいよ?」
二人はそんな風に言うけれど、本当に危険な人なのだろうか。
僕と同室の人が不良だといううわさだけど、うわさはうわさ。実際合って見ないことにはその人のことなど分からないとおもう。
「ですが・・・・・・」
「っち・・・・・るせーなー・・・・誰だよ、てめーら・・・・・ざけてんのかよ」
僕が何かを二人に言おうとしたときだった。
「ひい!」
話し声が五月蝿かったのだろうか、かなり不機嫌そうな顔で、隣のベッドに寝ていたはずの同室の人が起きてきた。
寮長が怯えている。怖さのあまり志気君の後ろに隠れて、大丈夫と小さな声で連呼しながら、志気君の服をガッシリと掴んで放そうとしない。
この人が、僕の同室。
見た感じ、怖そうな人には見えない。
それどころか、なぜだろう。とても懐かしい感じがする。
「澄君!今すぐここからでるよ」
腕を握られた、まるでこの人から逃げるように部屋を出て行った。
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