第98話
ネロに右手を掴まれ咄嗟に転移するが、右手は失われ。再生するための神力も底を尽きたらしく、ミナの先程までの笑みが消え失せていた。
「ネロ。本気で私を消すつもりじゃないよね」
狼狽え、怯えを隠せないミナ。
ここで憐れみを掛けた所でこの女はまた同じような事をするだろう。
おそらくネロもそれは分かっている。
だから次は左手を消し飛ばす。
「ごめんなさい。謝るから。ネロだって私が人間やエルフ達に何をされたか知っているでしょう。だから仕方なかったのよ。どうしても神の誘惑に逆らえなかったの」
「だから許せと? 笑止だな」
ネロは逃げようとするミナの首を掴むと地面に押さえつける。
もう破壊の力を使えばミナは神格ごと消滅してしまうだろう。
「わかった。ちゃんとゲイルにも謝るから。ねっ、ゲイルも許してよ、ある意味私のおかげでネロと会えたんだしさ。クラリスなんかより絶対に当たりだったじゃない」
「それはただの結果論だ。だいたいお前は、自分が狂わせた相手に本当に悪いなんて思っちゃいないだろう」
ミナに取っては非力な人々なんてきっと取るに足らない存在なのだろう。言葉からそんな考えが透けて見える。
「聞くに堪えない懺悔たったな。これで終いだミリアーナ」
「待って、本当に待って、ほら私も封印されるからネロと同じように、それこそ簡単に消滅させたら面白くないでしょう」
最後の最後まで悪あがきをしようとするミナに俺も不快感がます。
「そうだな。確かに一理あるな」
「うん。そう、それでこそ私の親友よ」
余りに調子の良い態度に、俺としても一言物申そうとしたところ。
ネロは微笑みながらミナに告げた。
「ああ。最後に親友として苦しまないよう一思いに消してやろう」
その言葉通り。ネロは力を込めて破滅の力をミナに送る。
ミナの肉体が灰のように崩壊し、残された光り輝く神核をもなおネロは砕いて消滅させる。
それは神の力を取り戻したはずのミナの最後の姿となった。
――――――――――――――――――――
読んで頂きありがとうございます。
評価をしていただいた方には感謝を。
こちらも終盤と言うことで
新作開始します。
自分なりに楽しく書けているので、そこそこ楽しめるのではないかと思います。
合わせて読んで頂けたら嬉しいです。
《タイトル》
『覇者転生 〜スローライフなにそれ美味しいの?』
https://kakuyomu.jp/works/16818093077307679991
こちらも引き続き応援してくれると嬉しいです。
面白いと思っていただけたら
☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。
もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます