第97話 ネロ視点
常世にいたわらわにとって時間だけは有り余っていた。
だから暇つぶしにと練り上げた神気を神力に変換し、さらに神力を圧縮し少しづつわらわの奥底に溜め込んでいた。
その一端は解放する。
消費された神力は回復し、再びこれで追いかけっこが出来るようになる。
そうゲイルとも良くやった追いかけっこ。ただ今回は触れたら消滅のデス・ゲーム。しかも今回は捕まるまで終わることの無い無窮の遊戯。
それこそ、わらわの神力はまだまだ無尽蔵と言って良いほどに蓄えられているのだから。
今はミリアーナも余裕の笑みを浮かべているが、それがどこまで続くか見ものだ。
わらわは、つい笑いそうになるのを堪えると、再びミリアーナを追い回す。
そう特に策もなく、ただ安直に最短距離で。
ミリアーナは反撃を織り交ぜて躱してくるが気にしない。その程度のダメージなら直ぐに修復する。
そうして少しづつ、少しづつミリアーナから余裕を奪って行く。
次第に反撃の手数が減り始め、躱すことに専念するようになる。余裕の笑顔が引きつっていくのにそう時間は掛からなかった。
当然ながらそんな姿を見ても、わらわを謀り、ゲイルをも結果的に傷つけたミリアーナを許すつもりは無い。
こやつが【
だが結局こやつはわらわを利用した。
友として相談することも無く、わらわを世界を滅ぼすための道具として使おうとした。
わらわはそのような裏切りを許せるほど寛容ではない。
だからミリアーナを追いかけ回す事に手を休めたりしない。ミリアーナは得意の話術で何とか間を作ろうと試みるが、もうわらわに聞く耳は無い。
ひたすらに追い回し続け、ミリアーナもわらわに捕まる度に神力で瞬間的に身代りを作り、小転移して逃げ回る。
そんな事を何度も繰り返し、ついにミリアーナの神力が尽き掛けた時、その表情から笑顔の仮面が崩れ去る。
必死の形相でわらわから逃げ、手が触れそうになるたび悲鳴を上げる。
きっとミリアーナの目には、わらわの存在が自分を喰らおうとする悪鬼にでも見えているのではないだろうか?
あっ、そうだ今度からこの遊戯を鬼ごっことでも名付けて、ゲイルとも楽しもう。
そう思いながらわらわはミリアーナの手を掴んだ。
――――――――――――――――――――
読んで頂きありがとうございます。
評価をしていただいた方には感謝を。
こちらも終盤と言うことで
新作開始します。
自分なりに楽しく書けているので、そこそこ楽しめるのではないかと思います。
合わせて読んで頂けたら嬉しいです。
《タイトル》
『覇者転生 〜スローライフなにそれ美味しいの?』
https://kakuyomu.jp/works/16818093077307679991
こちらも引き続き応援してくれると嬉しいです。
面白いと思っていただけたら
☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。
もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます