第93話
「どうかしら、恋人を奪った相手の落ちぶれた様を見れて気分が良いでしょう」
薄気味悪い笑みでミナが話す。
こちらとしてはアヴェルに今更興味など無い。
「悪趣味だな」
そう言葉を返すがそれでもミナの笑顔は崩れない。
「そうでも無いわよ。この男は貴方に劣等感を抱いたまま死んじゃったからね。ここで汚名挽回してもらわないと、って汚名を挽回するってこの男にぴったりだと思わない」
あえてアヴェルを貶す言葉を選び挑発してくるミナ。
生憎とそんな言葉で怒るほど義侠心あふれる性格では無いと分かっていそうだが、ミナはどうやら俺に語りかけるのが目的ではなかったらしい。
「うがァァァァっ」
ミナの言葉に反応してアヴェルが地響きのような唸り声を上げる。
「アハハハ、そいつの体デーモンロードにくれてやったんだけど、まだ僅かながら執念というか怨念が残っていたみたいね。それを取り込んだデーモンロードは貴方を殺したくて仕方ないみたいよ」
ミナの言葉通り尋常では無い殺気をこちらに向けて放ってくるアヴェルだった者。
「仕方ない。ネロ、俺はこいつの相手をする」
「うむ。相手はデーモンどもの首魁、その力は神にも匹敵する。油断するなよ」
俺は頷き返すと、デーモンロードの依代になったアヴェルを引き付けるため、神弓バヴハラウに風を纏わせて放った。
――――――――――――――――――――
読んで頂きありがとうございます。
評価をしていただいた方には感謝を。
続きを書くモチベーションにも繋がりますので
面白いと思っていただけたら
☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。
もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます