第84話
「バカななぁぁぁ、私の夢が、神の座が、このネルソンが神の王になるはずだったのにぃぃい」
王冠を失ったネルソンが絶望の声を上げる。
「…………ああそうか、思い出した。お前がネルソンか、デュランから聞いているぞ、何かを企んでるから気をつけろとな。はぁ、しかし存外大したことなかったな」
ゴミ虫を見るような表情でネルソンを見下ろすネロ。
「くそっ、何でだ。どうしてこうなった? 私は本物の神冠を手に入れた筈なのに」
何だか、ここまで来ると哀れに思えてきたのでネタをバラしてやる。
「そもそも、ミナに渡していた神冠も偽物だ、まあ万魔殿で拾った値打ち物ではあるんだがな」
「なっ、なんだと、ではもしかして……」
「ああ、パーティに居た時からミナはお前と親しかったからな、鎌をかけてみたんだが、残念ながら当たりだったみたいだな」
それなりに長い付き合いだし、外れて欲しいと思っていたのに残念だ。
「くそっ、くそっ、クソっそおおおお。私が、私が二度も騙されただと、ありえん、あり得んぞおぉぉお」
「煩い」
叫ぶネルソンを、ネロが顔面パンチ一撃で吹き飛ばし壁にめり込ませる。
「だいたい最初に騙したのはキサマだろう。聞いているぞゲイルにした事。まあ大人しくしているのなら復活を手伝った功績もあるので見逃してやったものを」
どうやらネロも俺と同じ考えだったらしい。
俺としてはここまで滑稽な姿を見せられてしまうと、逆に興醒めしてどうでも良くなっていたが。
ネルソンはよせばいいのにネロを怒らせてしまった。こうなると、どうするかはネロ次第だろう。
「さて、どう始末してくれようか、魂ごと消滅させて存在を消し去るか、くっくっく」
おお、今のは破壊の女神と怖れられるに相応しい悪い顔だ。
うんうん、なかなかどうして、ああいう表情のネロも新鮮で良いものだ。
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