第83話
「ふっふっふ、どうだ驚いて声も出まい。切札というのは最後まで隠しておくものなのだよ」
ネルソンの勝ち誇った声が響く。
うーん、まさかこうなるとはな残念だ。
「どうだ騙したつもりが騙された気分は、悔しかろう、だが私を謀った罪は重いぞ、だからもっと悔しがらせて後悔させてやろう。さあ、女神カーリーンよ
ネルソンが仰々しくネロに命令する。
ネロはネルソンに命令された事で目から光が消えユラユラとネルソンの元に向う。
全く、何をやってるのだろうアイツは。
「いいぞ。カーリーンよ、我に忠誠を示す為に誓いの口づけをここに」
ネルソンが右手を差し出し、手の甲へ従属の意思を示せと促す。
そしてネロはその手を取ると怒りに任せてぐにゃりと握り潰した。
「うギャァァァあ」
ネロのハイライトのない暗い瞳に見下げられながら、手の痛みに蹲るネルソン。
いや、本当に何をやっているんだかネロにあんな偉そうに命令するなんて自分から死にに行くようなものだ。
「何を戯けた事を言っているのだ、たかだかエルフ風情がわらわを誰と心得る」
だが思ったよりネロは怒っていないようだ。
まだ話す余地が残ってるのがその証。
「ばっ、ばかな、何故私の命令に従わない、私は、私は神の王になったんだぞ、神の王になるはずなのに」
「神の王だと、本当に痴れ者か? こんなちゃちな王冠で神々を従わせれるのなら苦労せぬわ」
ネロはネルソンの頭上にある王冠に手を触れる。それだけで王冠は灰となって消え失せてしまった。
――――――――――――――――――――
読んで頂きありがとうございます。
評価をしていただいた方には感謝を。
続きを書くモチベーションにも繋がりますので
面白いと思っていただけたら
☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。
もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます