第77話

 ミナの話によるとクラリスは、アヴェルの殺人に関しては結局、証拠不十分だったらしい。


 なにより死体が見つからなかったからだ。

 それに俺を殺した掛けたことについても、俺自身が否定した。

 リンガミルの法では疑わしきは罰せず。

 ただ人を殺したと言っている人間を放置するわけにもいかず。

 リンガミルからの永久追放という流れになった。


 冒険者としても資格剥奪の処置が取られ、ギルドへは出入り禁止となった。


 クラリスの目指した剣の道で高みを目指す夢は完全に絶たれたと言っていい。


 もう残す道は故郷にでも帰る事くらいだろう。


「ねえ、会ってあげなくて良いの?」


 ミナが悲しそうな表情で尋ねる。


「ああ、結局これがクラリスが選んだ道の先だったんだ。もう二度と道が交わることは無いだろうな」


 いまさら俺が出向いたところで掛ける言葉もない。罪にまみれ贖罪の道をどう歩んで行くのかはこれからのクラリス次第。

 茨の道だろうが俺が、最後にノートンの刀を餞別で送った意味を、きちんと向き合って考えてくれれば少しは道が開けるかもしれない。


「そっか。本当に極光の刃は無くなっちゃたんだね」


 ミナがしみじみと言葉を告げる。

 俺は何とも言えず苦笑いで返すと、王冠のことをお願いしその場を後にした。



――――――――――――――――――――


読んで頂きありがとうございます。

評価をしていただいた方には感謝を。


クラリスの最後はまた今度書きます。


続きを書くモチベーションにも繋がりますので

面白いと思っていただけたら


☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。


もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。

 

 

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