閑話 ネルソン②

 翌日、私は調査のためマーキングしていたカーリーン神の祭壇へ向う。


 そこで目にしたのは無惨に破壊された女神像。


 直感的に分かった。

 ゲイルの仕業だと。


 震えた。


『やばい、やばい、やばい』


 彼は神にすら仇なそうとしている。


 それほどまでに憤怒しているのだと。


 当然かもしれない。


 なにより愛おしい恋人に裏切られ殺されかけた。


 そして、愛していた恋人は自分を殺す片棒を担いだ男の手の中。


 仮にカーリーン神の封印について調べ上げ伝えたところで、そのまま殺される可能性だってある。

 もしかしたら、このまま逃げるのが賢い選択なのかもしれない。


 ほとぼりが冷めた頃にまた戻ってくれば迷宮の調査は続けられる。


 でも、そんな簡単に逃げられるだろうか?


 まず自分ならどうするかと考えた時。

 出た答え、自分なら間違いなく監視する。

 逃げられないように。


 そう、間違いなくしているだろう。

 あれだけの探知結界を簡単にくぐり抜けまったく悟られることなく枕元まで忍び寄る技術。

 まるで伝説に謳われる暗殺のスペシャリスト忍者のようでもある。


 そんな相手から生き残る手段は、やはりカーリーン神について調べ上げ彼の欲しがる情報を与えることで溜飲を下げるしかない。


 私は念入りに祭壇を調査し古代エルフ語の記述を見つけると、それを元に解析するため、リンガミルの神殿図書館に向かった。




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読んで頂きありがとうございます。

評価をしていただいた方には感謝を。


続きを書くモチベーションにも繋がりますので

面白いと思っていたけたらた


☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。


もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。

 

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