第36話

 三日後 ネルソンの元に向う。


 深夜の寝室でネルソンは周囲を警戒しているようで辺りを見回し落ち着かない様子だ。


 俺は近くまで寄って姿を表す。


 突然俺が現れたことでネルソンが「ヒィ」と驚いた声を上げる。

 驚かせてしまったのは申し訳ないが俺にはそんなことより情報のほうが先決だ。


「それで封印についてだが」


「ああ、それなんだがどうやらカーリーン神を封じた封印領域の解除にはまずラー・ブレスカの神珠が必要なようだ。これは古き神々の神殿の最下層に安置されていたものだが、現在は最初の攻略者。剣神ドーザーの手にあるという話だ」


「なるほど、ではドーザーの手から奪い取る必要があるわけか」


「それに関してだが、合法的に手に入れる方法がある。ヤツは権威を見せびらかすため十年に一度剣神祭を催しているのは知っているな」


 勿論そのことについては知っている。

 やつに勝てれば、可能な限りの願いなら何でも一つ叶えてもらえるという名目だ。

 そして、多くの剣士がヤツの持つ剣神の座を望み挑んでいったことも。


「知っている。なるほど奴に勝ち神珠を要望すれば良いんだな」


「そうだ。ただ知ってるかもしれんが奴はここ二百年負けたことは無い」


 ヤツの実力の程は知らないがまず問題無いだろう。むしろ問題があるとすれば剣神の座を欲するクラリスの方で……。


「……問題ない。剣神祭に出ることにしよう」


「そうかなら知ってるかもしれないが、まずはトーナメントにエントリーだな、参加条件は四大迷宮の全てで四十階に到達している事だが後半年で間に合うか?」


「ああ、それについても問題ない、今の俺なら四十階程度なら余裕だ」


 俺がそう言って笑うと、ネルソンが驚いた顔をして、また目が泳いで落ち着きがなくなってくる。

うーん、一体どうした?




――――――――――――――――――――


読んで頂きありがとうございます。

評価をしていただいた方には感謝を。


続きを書くモチベーションにも繋がりますので

面白いと思っていたけたらた


☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。


もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。

 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る