第28話

「ゲイル、わらわともっと遊ぶのだー」


 ネロが強請る。先程まで俺達は隠れんぼをしていた。修行の間の息抜きと称して。


 親父から教わっていた気配を隠す技は、ここでより洗練され、ほぼ完璧と言って良いほど気配を遮断する事が出来ていた。その技を使って俺が隠れ、ネロが探し当てる。


 何も無い世界でなんとも言えない戯れだが、ネロはこれが気に入っていた。


 もちろんネロが本気を出せば一瞬で分かるのだろうがあえて力を抑え、最低限の感知能力で俺を探し出す。その過程をネロは楽しんでいるようだ。


 まあ、目的があって修行している俺とは違い、ネロは基本的に暇しているからだろう。


 修行の相手になってくれる事もあるがそれすら彼女にとっては暇潰しだ。


 だから彼女は楽しい事を見つけるとそれに夢中になる。飽きるまでは。


 そして、俺も結局付き合う。

 ここには俺達二人しか居ないから。人間の基準などで推し量れないのは分かっていても、思ってしまった神であろうときっと寂しいのだろうと。


 だから、俺もついつい付き合ってしまう。



「じゃあ、たまにはネロが隠れるなんてどうだ?」


 ネロは俺の提案に乗ると、早速隠れた。


 そして俺の気配遮断がまだまだ甘い事を身を持って知った。




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読んで頂きありがとうございます。

評価をしていただいた方には感謝を。


続きを書くモチベーションにも繋がりますので

面白いと思っていたけたらた


☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。


もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。

 


短編完結しました。

読んで頂けると嬉しいです。


タイトル

『幼馴染を◯してしまいました』


https://kakuyomu.jp/works/16818093075061515150

 


 

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