第27話

「ぐすっ、ゲイルは辛い思いをしてきたんだな」


 神ともあろうものが何故か俺の身の上話で同情して泣いていた。


「えっと、その、ネロは優しいんだな」


 破壊とかを司る物騒な神なはずなのに、目の前の姿は俺達人間とあまり変わらない。


「やっ、優しくなど、わらわは破壊の神だぞ人間なんぞに優しくしていたらつけあがる一方ではないか、だからこれは、その、あれだ、眷属を、自分の部下をいたわっているだけだ」


 別に照れ隠しする必要などないと思うのだが、どうもまだ俺はネロという存在が掴めない。

 神という通り尊大な態度を見せたかと思えば、さっき泣いていたように俺達と変わらないような姿も見せる。

 どこか歪でアンバランス、そんな印象を俺はネロに持っていた。



「なあゲイル。そなたはわらわの眷属になった事後悔しておらぬのか?」


「ああ、力を得るためにも、ここに居るためにも必要な事だったのだろう。なら後悔などするわけ無いさ」


 常世は時間の流れが全く違う。なにより俺とネロ以外存在しない。そして人が生きていくには何もなさすぎる。つまり、ここでは人は生きていけない。そもそも食料すら無い。


 なら、どうするか?


 その答えがネロの眷属となる事だった。


 神の加護を得ることで、ネロの力が満ち溢れた常世に置いてのみ不老不死の存在になれる。

 もちろん食事も必要としなくなる


 強くなるためにここに残るのであれば、眷属なる選択肢以外は存在しない。

 いま、なにより力の欲しい俺は、その提案を断る理由が無かった。


 だから俺はネロの眷属となった。





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読んで頂きありがとうございます。

評価をしていただいた方には感謝を。


続きを書くモチベーションにも繋がりますので

面白いと思っていたけたらた


☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。


もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。

 


短編完結しました。

読んで頂けると嬉しいです。


タイトル

『幼馴染を◯してしまいました』


https://kakuyomu.jp/works/16818093075061515150

 


 

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