第25話

 俺は本当の意味でクラリスを愛していたのだろうか?

 

 結果的に裏切られた形になったとはいえ、クラリスの役に立てたことに安堵している。

 でも、それは献身などという高尚なものではない事を俺自身が自覚している。

 俺がなによりも恐れていたのは、役に立たないからと切り捨てられる事。


 だから、俺がクラリスの側に居たのは愛していたからではなく、ただ誰かに必要とされて安心していたかった、満足していたかっただけなのかもしれない。


 そしてそれはクラリスで無くても良かったのかもしれない。


 だが……。


 最後に役に立てたとはいえ、結論からすれば俺はあのパーティにおいては必要ないと判断され、生贄に選ばれたということなのだろう。


 すなわち、それは俺の力が足りなかったから。


 そう思うと、裏切られた事に対する怒りや悲しみより、沸き立つものがあった。


 それは悔しさ、力の無い自分自身への情けなさ。


 もっと俺に力があれば……。


「ほお、ずいぶんといい顔してきたじゃないか、さっきよりは人間らしいくなってきたな」


 ネロが不敵に笑う。

 俺の反応を見て楽しんでいる?

 いったいこの自称神様は何がしたいのだろう?


「……俺はアンタに生贄として捧げられたのだろう。ならアンタは俺をどうするつもりだ?」


「そうだな、なにぶんここまで来れた強者は久しぶりだからな。できるだけ私の暇潰しに付き合って欲しいのだが……そうだな、逆に聞いて悪いが、ゲイルお前はどうしたい?」


 そう言ってネロは再度不敵に笑った。

 




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読んで頂きありがとうございます。

評価をしていただいた方には感謝を。


続きを書くモチベーションにも繋がりますので

面白いと思っていたけたらた


☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。


もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。

 


短編の前編公開しました。

読んで頂けると嬉しいです。


タイトル

『幼馴染を◯してしまいました』


https://kakuyomu.jp/works/16818093075061515150


 




 

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