第23話

「ちょっと待て、その瞬きは分かったと言う意味の瞬きか? それとも生きたいという意味の瞬きか? えーい、どっちなんだよ、分からん。もう一度生きたいか、死にたいか、合図しろ」


『いや俺は虫の息なんだが』と声が出せたなら言っていただろう。


 しかし、まだ死にたくない俺はもう一度瞬きを二回する。


「おお、よし分かった。直ぐに治療してやろう」


 彼女はそう言うと手をかざす。


 俺の体が何かに覆われる感覚。同時に痛みが少しづつ引いていく。


「ほれ、もう声も出せるだろう」


 彼女の言う通り、完全に痛みが無くなり、重かった体も動かせるようになった。

 凄い回復魔術だ。


「……そうみたいだは……ありがとう。俺はゲイル冒険者だ。あなたは?」


「ああ、わらわの名はネロ・カーリーン。パルネフ帝国の皇帝にして神格位を得て神となったものである」


「…………はぁ」


 パルネフ帝国聞いたことない国だ。そもそもあまりに話が突拍子もなく理解が追いつかない。


「なんだ反応が薄いな。もっと驚いても良いんだぞ」


 そう言われても、やはり話が突拍子すぎて現実味が無かった。

 ただ一瞬で俺の傷を治したりしたのだから力のある存在なのだという事だけは分かった。


「……ところでネロ、ここはどこだ?」


「おい、神をいきなり呼び捨てとは不遜だな」


 そんな事を言われても俺には褐色肌の美しいエルフにしか見えない。

 だが気分を損ねたのなら謝っておこう。


「いや、済まない。様をつけたほうが良いのか?」


「ふっ、フッフフ。嫌構わんよ。気安いのも悪くないしな。あと、そなたの問にも答えてやろう。ここは常世。大昔にエルフ共がくそ竜と結託して、わらわを封印するために次元を歪め作り出した場所だよ」


「大昔? あなたを封印?」


 やはりネロの言う事はスケールが壮大過ぎて俺が理解するのには時間が掛かった。



 


――――――――――――――――――――


読んで頂きありがとうございます。

評価をしていただいた方には感謝を。


続きを書くモチベーションにも繋がりますので

面白いと思っていたけたらた


☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。


もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。

 


短編の前編公開しました。

読んで頂けると嬉しいです。


タイトル

『幼馴染を◯してしまいました』


https://kakuyomu.jp/works/16818093075061515150


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る