第22話

 真っ暗な闇。


 何も無い。


 これが死後の世界なのかと思った。

 頭に浮かんだのは俺を切ったクラリスの姿。


 意識だけははっきりしている。


 そんな中で声が聞こえた。


「おーい、生きてるか?」


 そう言われて、俺がまだ死んでいないのだと理解した。


 しかし、切られたはずなのに痛みが無い。

 それどころか深い穴に落ちた筈なのに体が無事だとは思えない。


「なあ、聞こえてるなら返事をしろー」


 なんとか声に反応して声を上げようとするが言葉が出ない。


「あうぐっぐっ」


 動かない体。うめき声だけがなんとか絞り出せた音になる。


「おっ、なんだやっぱり生きてるではないか」


 声の主らしき人物が近付いてくるのか気配で感じ取れた。


 すると暗闇だった世界が反転し一面真っ白の世界へと変わる。


「あぁ、これは重症だな」


 覗き込んできた銀髪で褐色肌のエルフ?


「うーむ。久しぶりの客人だしな話し相手にくらいにはなってもらいたいが、さてさて、なあ客人よそなたはどうしたい? 生きたいか、それともこのまま死にたいか、好きな方を選べ」


 どうやら俺に問い掛けているらしい。

 しかし選べと言われても、声は出ないし、体は動かせない。


「……ってそうか、喋れないんだな。あとその様子だと体も動かせそうに無いな。うーん、あっ、それなら瞬きで合図をしろ。二回パシパシすれば生きたい。三回瞬きで死にたいだ。分かったか?」


 俺はその問いの答えとして瞬きを二回した。




――――――――――――――――――――


読んで頂きありがとうございます。

評価をしていただいた方には感謝を。


続きを書くモチベーションにも繋がりますので

面白いと思っていたけたらた


☆☆☆評価を頂けると泣いて喜びます。


もちろん率直な評価として☆でも☆☆でも構いませんので宜しくお願いします。

 


短編の前編公開しました。

読んで頂けると嬉しいです。


タイトル

『幼馴染を◯してしまいました』


https://kakuyomu.jp/works/16818093075061515150


 

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