第12話
順風満帆だった俺達に陰りが見え始めたのは四迷宮のひとつ『万年樹の迷宮』の二十五階層に到着した辺りからだった。
この頃から苦戦することが多くなり、回復が追いつかなくなる事が多かった。
なるべく攻撃は俺が受け持ち往なすようにしていたが、どうしても超攻撃的なスタイルのクラリスは反撃を食らうことも多くなり怪我をする事も増えた。
その事で限界を感じ始めたのか苛立つことも増えた。
俺が守りの剣も身に付けるべきなのではと諭したが受け入れられなかった。
どうやら剣聖としてのプライドが邪魔をしたようだ。
そんな迷走を始めた俺達にとどめを刺すかのような悲劇が襲った。
二十五階攻略まで間近に迫っていた時、ルームガーダーとして現れたマンティコアという魔物にドットが殺られた。
尾から飛ばす毒針にやられ、動けなくなったところを狙われた。
俺達も何とか攻撃を引きつけようとしたが駄目だった。
何とか倒せはしたが、ドットを失ったため、先に進むのは断念せざるをえなくなった。
亡骸を担いで帰り、ギルドに報告した。
ギルドからは預けられていた遺言書を受け取り、遺言に従い遺体は火葬して、遺灰とし故郷の家族の元に送った。
故郷には弟夫婦がいるらしい。
クラリスもそうだがミナも相当ショックを受けており、俺達パーティはしばらく活動を休止することにした。
特にリーダーでもあるクラリスは責任を感じ酷く落ち込んだ。
身近な人が亡くなるのはノートン以来で、二人っきりの時は同じ様に目を真っ赤にして、泣き腫らしていた。
俺はそっと抱きしめて慰めることしか出来なかった。
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