第7話

「ワシは神官戦士のドット。見て分かると思うがドワーフだ」


 背の低い髭の生えた筋肉質の男が名乗る。


「私は攻撃魔術士のミナ。私も見た目通りアイルスロープ猫人族よ」


 見た目は人族と変わらないが頭に生えた猫耳と尻尾が獣人の特徴を示していた。


 リンガミルは中立都市でもあるので国家間に関係なく他種多様な冒険者が集まる土地でもある。

 俺達が拠点にしていたダグザは人族の街だったので、いままで他種族とは組んだことは無かった。なので少し戸惑いもある。


「私はクラリス。人族の剣士よ、一応剣聖の称号を得ているわ」


 クラリスは胸に掛けていた剣聖の称号を二人に見せる。

 どうやら剣聖の称号というのはリンガミルでも通用するらしく二人共に驚いていた。

 俺は続けて自分の紹介をする。


「俺はゲイル。クラリスと同じ人族でスカウトだ」


「前衛が二人と聞いておったが?」


 俺の自己紹介にドットが怪訝な顔をする。

 理由は分かる。冒険者達の間ではスカウトが前衛で戦うことは少ないからだ。

 ただ俺は元々ノートンのサポートのために冒険者になったのでスカウトになった。

 しかしスカウトが剣術を使って前衛に立ってはならないなんて冒険者規約は無い。


「俺は前衛もこなす」


「大丈夫なのか?」


「ゲイルの実力は私と遜色ないわよ、今まで二人で九階層まで潜っていたし」


 ドットの不安に対し、クラリスが代わりに答えてくれる。


「なるほど、剣聖のお主が言うのなら間違いあるまい。まあ、ワシも前で戦うのは嫌いじゃ無いからなワッハハッ」


「えっと、私も職種に関係なく前衛がフォローしてくれるなら問題ありません」


 ドットとミナの二人はパーティを組むことを了承してくれた。

 もちろん俺とクラリスも異存は無かった。


 


 

 


 

 


 

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