第6話
リンガミルに着いて一年が経った。
お互いに背中を預け続け、長い事一緒にいれば情は湧く。
特にノートンが居なくなり、お互いに頼れる存在がなくなった事も大きかった。
俺とクラリスは自然とお互いを求めるようになり、いつの間にか男女の関係になっていた。
今日も目を覚ますと感じる温もり、会った頃は短かった髪が今は肩口まで伸び、幼さを残していた表情は、今や女の艶を見せていた。
「おはよう、クラリス」
彼女が目を覚ました気配で声を掛ける。
「おはよゲイル」
悩ましげに目を擦り、寝惚けて緩んだ表情のまま起き上がると、シーツで隠れていたたわわに実った果実が目の前に晒される。
戦闘時には見せることのない無防備な姿にドキリとさせられしまう。
この後に予定がなければこのまま微睡みの時間を満喫しても良かったが、今日は生憎と予定がある。
新しいパーティメンバーとの顔合わせだ。
今まで二人で迷宮に潜っていたが、下に行くほど限界を感じたからだ。
罠の解除や鍵開けはノートンのサポートをしていた時に習得していたので問題なかったが、やはり魔術が使える者が欲しい、特に回復術はこれから下に降りるためには必須だと感じていた。
当然、分前は減るが下層に行けばその分良質な品が手に入る可能性が高くなる。
なによりクラリスの夢。
剣士の頂点と云われる称号剣神。
その剣聖の先にある高みにたどり着くための条件の一つとして、最低でも四つの迷宮の全てで四十階層より下に到達しないといけないからだ。
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