第3話

 ノートンに同行するようになって半年くらいだろうか、彼に次のステップだと言われて守りのさらに上の技術、返し技を教わるようになった。


 俺は元々目が良く、読みも上手いので向いていると言われ、半信半疑ながら指導を受けてみた。

 最終的には先の先が取れれば一人前だと言われたがノートンの動きは読むのがやっとでとても彼の言う先の先を取るのは難しく、後の先がやっとだった。

 ただその指導を見ていたクラリスには驚かれた。

 

 ノートンとの修行はその後も続き、彼が言う対の先、相手の動きとほぼ同じタイミングで返し技ができるようになった時。


「今度のクエストではお前とクラリスだけで戦ってみろ」


 突然そう言われ、簡単な魔物の討伐クエストを行うことになった。


 結果は。


「へぇー、親父にしごかれただけあってやるじゃないか」


 クラリスに褒められる位には立ち回れた。


 それからは俺とクラリスだけでクエストをこなす事が多くなった。


 俺は防御面では問題なかったが、攻撃は基本的にカウンターくらいしか出来ない。


 それでも何とかなったのはクラリスの剣が攻撃に特化していたからだろう。


 ノートンから言えば剣の道に狂った修羅の剣らしい。そんな事を言えば俺は攻撃も出来ない臆病者の剣だと返したら。


「修羅より臆病者の方が良い」と笑われた。


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