第8話 理にかなってる

 クラリスは言った。

「あなた誰なの?」

「そっちから名乗ってもらえるかな?」

「あなた泥棒なの?」

「何でこんな村に住み続けてるの?」

「あなたもミイラになるの?」

「村長はミイラになったよ」

「……私の父よ」

「これからどうするの?」

「……本当に父が?」

「うん、残念だけど」

「あなたは居合わせてたの?」

「うん。これから君はどうするの?」

「分からない。……外に行って、父のこと確かめるわ」

「危険だよ」

「でも、私の父なのよ」

「分かった」

「……あなたは出て行ってもらえる?」

「ミイラの呪いはいつから?」

「……ごめんなさい、今は話せない。悪いけど出て行ってもらえるかしら」

「……分かった。おそらく外に行くの自殺行為だけどね……」

「あなたは父の最期を見たのよね?」

「ああ。……もう失礼するよ」

「気をつけてね」

「……君、彼氏いた?ミイラになった村の誰かとヤッたことある?」

 彼女の返答を待たず、ジャンプして異世界から帰還した。

 よし。この後は、異世界ビジョンを使って彼女のことを覗き見よう。風呂に入るところとか……。

 しかし結論から言うと、実際には覗かなかった。スマホで見れる裸の女優の方が好みだった、ミイラ村長の娘より。

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