待ち合わせ

勝利だギューちゃん

第1話

「まだかな」

腕時計を見る。

午前11時。


待ち合わせは11時。

そろそろ来るころだ。


そう思い、高鳴る鼓動を抑える。

人生初めての、デート。


ドキドキが止まらない。


女の子とのデートだ。

レンタル彼女とかではないぞ。

クラスメイトの女の子とだ。


「ごめん、待った?」

「ううん。今来たところ」

「遅れてごめんね」

「いや、僕も早く来過ぎたし」

「ちゃんと、エスコートしてね」

「努力する」


こうして、初めてのデートをしたのが、今から5年前だ。


3年前


「たく、何やってんだ?相変わらず時間にルースだな」

「ごめん、待った?」

「ほんの40分ね」

「そこは、『今来たところ』と言わないと」

「付き合いたてのカップルではあるまいし」

「変わったね。昔は優しかったのに」

「慣れもする」


現在


「ごめん、待った?」

「来たな。よし行こう」

「今日はどこへ?」

「水族館」

「そのこころは?」

「イルカに会いたい」

「私も。偶然だね」


自然と彼女が腕をからめてくる。


「では、レッツゴー」


数年後


「あなた、私たちの子だよ」

「でかした、男の子だ」

「名前考えてくれた?」

「もちろん」

「私も、考えてたんだ」

「じゃあ、せーので一緒に言おうか?」


「せーの」「せーの」


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待ち合わせ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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