神秘学会vs九芒星
第一次ダンジョン戦争以降に現れた、自称神の兵士。
第一次ダンジョン戦争の際、人々は強大な力を手に入れた。
その力は、制限こそあれど人々に戦う力を与え、そして現在まで人類が存続できている1番の要因である。
そんな能力者の中でも、自然現象を魔力によって引き起こす魔導系能力者と呼ばれる者達の集まり。
キリスト教の信者であり、神のために命を捧げることを誓ったのが
まだダンジョンに対しての理解が足りてなかった当時の人類による管理不足により、ローマの街に数多くの魔物を解き放ってしまったのだ。
あまりにも急な解放だったため、人々は混乱。最初のダンジョンブレイクで、約150人近くの人々が犠牲となった。
が、最終的な犠牲は150人程度で納まっている。
なぜか?
それは、
当時溢れた魔物達は、魔導系の能力にめっぽう弱かったということもあり、初期の被害だけで全てが治まったのである。
これにより、ローマ教皇庁の力は増大。更に、国民に
その後は国民の人気取りのためにイベントに出たり、ダンジョンの攻略をしたりと様々な活動をし地盤を固め、気がつけば人々は彼らを英雄と呼ぶようになる。
その裏では暗殺、誘拐、など様々なことをしていると言うのに。
「悪しき存在の排除に入る。貴様らは死ね」
「人気取りのためだけに笑顔の仮面を張りつけてピエロを演じていた奴らが、今更正義気取りか?ジョーカーの方が笑顔が似合う」
「これだから宗教は嫌いなんだよ。自分たちが正義だと言って話を聞かん。世界樹のように、目に見える恩恵が齎されるならまだしも、見たこともないやつを信じる心は分からんな。あれか?UMAとか信じるタイプなのかこいつら」
「神もUMAみたいなもんでしょ。未確認生命体だよ。天使はいるようだけどね。と言うか、敬虔なる神の信徒なら、天使による告発と罰を知ったら死ねよ。そしたら両手を叩いて褒めてあげるのに」
「全くだ。神なんざ下らん幻想に過ぎない。グレイお兄ちゃん。こいつら薬をキメてんだよ。頭の中がお花畑なのさ」
「きっと、その花畑は鮮やかなんだろうな。勘弁願いたいものだ」
リィズの言う通り、敬虔なる神の信徒ならば、神の使いである天使の告発を聞いて死ねよ。
お前らは神の使いに悪と証明されているのだ。
そんなことを思っていると、
腕を軽く振り上げると、そこから天に伸びる水の鞭を生み出した。
「水よ切り裂け」
「フォッフォッフォ。遅いしさせんわ」
これには爺さんが対処。
俺の前に素早く移動すると、目に見えない抜刀で水をぶった斬る。
いや、水だけではない。ついでと言わんばかりに、その術者の腕まで切り落としていた。
「.......!!ギャァァァァァ!!」
「爺さん、どうやったらその位置から腕を切れるんだ?」
「なぁに、ちょいと強く刀を振るだけよ。主も出来ると思うぞ?やってみるか?」
「無茶言うんじゃねぇ。おれは漫画の世界に生きているわけじゃないんだよ」
とんでもない無茶ぶりをしてくるおじいちゃん。
あの、普通に無理ですが?
なんで誰でもできるよみたいな顔してんのこのおじいちゃん。
普通の人は、刀が届く距離までしか切れないの。それに、素人が人の体を綺麗に切れるわけないでしょ。
一瞬で相手の腕を切り落とされた事に驚いた
そりゃそうだ。次は自分たちの番になるかもしれないんだから、動かれる前に殺そうと思うだろう。
「撃て!!撃てぇ!!」
「ぶっ殺せ!!」
「おいおい、自称神の使いにしちゃ随分と雑だな。確かに能力はそこそこ強いが、ウチの連中を相手するにはあまりにも弱いぞ」
風の斬撃、灼熱の炎、神速の雷、水の弾丸、異世界漫画で見そうな魔法が次から次へとやってくるが、その攻撃が俺に届くことは無い。
うちの護衛は優秀なんだ。
普段はポンコツでもな。
「天使よ」
ミルラはそう言うと、自身の能力を使い天使を具現化。七体の天使が全ての攻撃を受け止め、俺達は無傷でその場に立つ。
元民間軍人の護衛専門を舐めるなよ。中身はだいぶ残念だが、ミルラはやる時はやる女の子なのだ。
おふざけ無しのミルラは普通に強い。何せ、Aランクハンターレベルの天使を複数体出せるんだからな。
「私達のボスに触れることは許されていません。面会がしたいのであれば、金を払ってください」
冷たい目でなびく風に髪を揺らしながらそう告げるミルラ。
誰だよお前。クソかっこいいじゃないか。
中身は残念でも、仕事はきっちりこなせる残念美人。これで癖がまともなら、とんでもなくモテていた事だろう。
そんなことを思っていると、アサルトの銃声が鳴り響く。
魔法を防御したミルラの天使たちの隙間から、レイズがつかさず反撃に出た。
「っぐ!!」
「防御を張れ!!」
1人の頭をぶち抜いて殺したが、その後は誰かの能力で防御結界を張られてしまう。
ちょっとは活躍したかったのか、レイズは顔を歪めて舌打ちをした。
「........ッチ。防がれてますね。少しはいい所を見せられるかと思ったんですが」
「防御系能力者が存在するとわかっただけでも十分な成果だよレイズ。それと、銃撃はそのまま維持してくれ。ローズ!!お前、遠くにものを投げれるか?」
「少なくとも、腕が痛い女の子みたいに細いボスよりはねん」
「無駄口を叩くんじゃねぇ。なら、グレネードを放り込んでやれ。見たところ、一方面だけにしか防御できてないみたいだからな」
「空で爆発すると思うわよん?高く投げすぎたら」
「俺の能力で何とかするからやってくれ」
俺はそう言いながら、普段から持っているグレネードをローズに渡す。
もちろん、みんな大好きワイヤー付きで。
俺の十八番先方とも呼べる、ワイヤー。それをパイナップル型のグレネードに巻き付けて置くことで爆発を防いでいるのだ。
あとはタイミングを見計らってグレネードを起爆させればいい。よく使うワイヤー戦法の一つである。
ローズは天使達の影に上手く隠れると、天に向かってグレネードをぶん投げる。
うわぁ........宇宙にまで到達するんじゃねぇかってぐらいに吹っ飛んだな。これじゃ見えねぇよ。
「んじゃ、奴らを固めますか。数百人を一気にぶっ殺せるように」
「手伝います。先ずは、外に拡がっている彼らから、縮小させます」
貴重な(俺にとっては)グレネードを使ったのだ。どうせならこれ一発で100キルストリークぐらいはやってみたい。
ということで、左右に展開している奴らを一纏めにしてやることにした。
レミヤが能力を使い、銃器を展開。マシンガンのように唸る銃弾の雨が奴らを襲う。
「........っ!!」
「防御陣地に走れ!!」
数十人近くはその弾丸の雨に打たれて死に、残りは何とか逃げ延びた。
そしてそこで俺の能力発動。
俺はワイヤーを使って全員をまとめてぐるぐる巻きにしていく。
これで彼らの意識は下へとむく。正確には、巻かれているワイヤーに意識が向けられるだろう。
「何もしないもはあれだし、少し手伝おう。いちばん弱いやつなら問題ないか?」
アリカはそう言うと、1つの試験管を取りだして向こうに投げる。
パリンと試験管が割れると、そこから地面に根が生えて新たな生命が誕生した。
アリカの研究の成果にして、使い方次第では世界を滅ぼしうる植物魔物。
よくよく考えると、アリカって生物を自らの手で作り出してるんだよな。あれ?もしかしてアリカちゃん神様と同格なのでは?
生命の創造と、世界の崩壊。その気になればバイオウイルスだって作れると豪語するアリカは、実はとんでもない超危険人物なのではないだろうか。
1人で国を滅ぼしたおじいちゃんも大概だが、アリカってその気になれば世界を消せるんだよな。
実は世界で最も危険な人物なのかもしれん。だって使い方次第では新たな人類を作り出して、自分の望む世界を作ることだってできるんだぞ。
「だいぶ改良したおかげか、多少の命令なら聞くようになったてな。とは言っても、味方の区別が着くのと敵を攻撃するぐらいしかできないから、軍事的な転用は厳しいが」
「普通にすごくねそれ。アリカさえいたら兵士に困らないじゃん」
「大量生産が難しいから、それは無理だ。もう少し時間がいる。後、もう少し難しい命令を聞いてくれたら最高なんだがな」
「なんでだ?今でも十分に思えるが........」
「だって........なぁ?」
何か言葉を濁すアリカ。
ここでアリカの性癖に着いて思い出してみよう。彼女は植物にしか興奮できない生粋の変態であり、自分の能力で植物すらも生み出せてしまう天才児である。
そんな彼女が自分の能力をどう使うのか........?
あぁ、終わってるよこの子。
「........止める権利がないから何も言わないが、程々にな」
「私はグレイお兄ちゃんでもいいぞ?」
「人の形を捨てたら考えてやるよ」
と、その時、空からグレネードが戻ってくる姿を発見する。
それじゃ、バイバイ
「ドーン」
ドガァァァァァァァン!!
下に意識を割き、更には植物の魔物に意識を削がれた彼らが上から降ってくるグレネードに気がつくはずもない。
ど真ん中に落ちたグレネードは奴らを木っ端微塵に吹き飛ばし、運良く生き残ったラッキーマン達が数十人ほど残る。
うーん100キルストリークは行けたかな?
「リィズ、残りをよろしく」
「はーい」
こうして、
なんかすごくあっさり終わったが、一応言っておくと彼らはAランクハンター並の強さはあるので普通に強い。
が、全員魔法使いパーティーなので身体が脆いのだ。
次からはバランスのいいパーティー編成をしような。次があれば。
後書き。
ワングレネード100キルストリーク。
明日、新作を上げる予定です(火曜0時頃)。よかったら読んでね‼︎
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