後日談 『ふみちゃん先生の走る理由。』
詩「ちなみにだけど」
文「ん?」
詩「なんでふみちゃん先生もジョギングしようと思ったの?」
文「——っ! そ、それはね……彼がね……」
詩「えっ彼氏! 先生彼氏いるの!? そっか〜、それじゃやっぱり!」
文「……遅いって」
詩「……へ?」
文「この前一緒に走ってたら遅いって言われたの!」
文「それだけならまだしも、『数学専門の文乃さんなら俺が一週差つけて追いつく時間計算できるでしょ?』だの、『あ、計算する前に2周差つけちゃうかも。計算狂わせちゃってごめん』とか! あぁ〜もぉ!」
詩「あ、あはは……ふみちゃん先生も、結構大変なんだね……」
詩「っていうことは、先生は復讐心で走ってるの? ほら、こう『見返してやるぅ〜!』的な?」
文「……そう、なんだけど。そうじゃない……のかな?」
詩「ん? どういうこと?」
文「あはは。えーっとね、もちろん大人として、からかわれて悔しいっていうのもあるんだけど、でも、そんな彼がずっと私の隣にいてくれるって、言ってくれたから」
文「だから私も、彼の隣にずっといられるように努力したくて……」
……。
文「あはは。ごめんね詩帆ちゃん。大人がこんな子供みたいなこと……なんだか私、恥ずかしくなってきちゃった。って、どうしたの詩帆ちゃん?」
詩「……ううん。なんかその気持ち、ちょっと理解できるっていうか、なんか分かるなって」
文「……そっか。ありがと、詩帆ちゃん♪」
文「ね、ちなみにさ、詩帆ちゃんってお家近いの?」
詩「あ、はい。ここから走って15分ぐらい」
文「そっかぁ。それじゃあ、この後着替えたら喫茶店行かない? 助けてもらったお礼に、お姉さんが朝食を奢ってあげよう!」
詩「え、ほんと!? やったぁ〜! やっぱりふみちゃん先生最高!」
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