後日談『その頃一方、幼馴染は』

 —— ピンポン♪


 ゴールデンウィーク2日目。


 昼下がり、突然鳴ったスマホに目を覚ます。


 紗「……ん……ん? 通知?」


 紗「てか、もうこんな時間じゃん……ん〜っ! あぁ、眠い」


 紗「さてと、誰から……って詩帆じゃん」



 詩『紗季! あのさ、今さ。この前話した気になる人とアキバに来てるんだけどさ!』


 紗『おー、やるねー。』


 詩『まぁ、それでなんだけど、アキバ付近でなんかいい感じの場所知ってる? あれば教えて欲しい! 速攻で!』


 紗『なるほど、つまりデートスポットね。それならここがいいんじゃない?』


 ——すみだ水族館の写真。


 紗『ここならアキバからすぐ着くから。デート楽しんでおいで〜』


 詩『いやデートじゃないから!』


 詩『でもありがと! 行ってくる!』


 ——ウサギのスタンプ。



 紗「……ふふっ。なんかいいことした気分」



 それから20分後。


 —— ピンポン♪


 再びスマホが鳴る。


 紗「ん?」



 詩『紗季! やばい!』


 紗『どーしたの?』


 詩『なんか、気になる人とめっちゃ肩近い! 電車もう少し乗ってるんだけどさ。緊張する!』


 紗『うわー惚気じゃん。爆ぜろ』


 詩『えーっ! ひどっ!』


 紗『まぁ、せっかくだしさ、肩に頭乗せちゃいなよ』


 詩『無理っ!』


 紗『えー、いけるって。詩帆可愛いんだしさ。詩帆にそれやられたら、たぶんイチコロだよ』


 詩『いや……でも……。』


 詩『……ちょっとやってようかな』


 紗『おー、がんばれ』


 詩『って、言ってたら着いちゃった』


 紗『あー。まぁでも、せっかくだから楽しんで』


 詩『うん。ありがと!』


 ——クラゲのスタンプ



 詩「意外とウブだなー、詩帆って」


 詩「でも、まぁ。そこが可愛いのか」

 

 ゴールデンウィーク二日目。


 とある幼馴染のワンシーンであった。




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