色盲
崑崙虚 太一
色盲
きいろやあか、あおの点の集まった絵
その中に数字が書いてあるという
自分には 何がなにやらわからない
みんなが自分をからかう
何をからかわれているかもわからない
色覚異常だと言われた
自分があかだと思っている色と
みんながあかだと思っている色
同じようで違うらしい
怖くなった
みんなと見ている景色が違うと
悲しくなった
みんなと見た景色の印象が違うと
教師が言った
何も見えない人だっているのよ
そういうことじゃないんだよ
その日みんなと遊んだ帰り途、大きな夕日を見た
その時ふいに思ったんだ
みんなにはこのきれいな夕焼けどう見えてるのかな
こんなきれいな夕焼けなのに、なんで泣かずにいられるのかな
大人になってもわからない事は増すばかり
何が正しいのか、誰が正しいのか、自分がまた間違えているのか
ただこれだけは言える
あの時涙を流せるだけのきれいな夕焼けに出会った自分の瞳は
あの時のみんなの瞳よりほんのちょっといい仕事してた
色盲 崑崙虚 太一 @konronkyotaro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます