第59話 女海賊と海底脱出!!
「離してください!!」
「嫌だ。また、カプちゃんに会えたんだから。離さないよ!!」
カプリコーンを掴み、自分の頬ですりすりしている人魚さん。もといアクエリアス。
私はというと、掴まれたカプリコーンに便乗して、至近距離でアクエリアスを見ている。アクエリアスはカプリコーンに夢中になっているので、腕をつたって、アクエリアスの肩で休憩している。
二人は星霊として活動していたし、私よりもカプリコーンとは親交もある。だから、ああいう女の子同士が戯れているキャッキャッウフフを間近で見せられ、私の中にドス黒い物が芽生えた気がした。
「ご主人様、違うんです!?」
カプリコーンが弁解するが、無視した。
「『ご主人様』?」
アクエリアスが、肩に乗っている私に視線を変えた。
「はぁ〜」
哀れみの目とため息で私を見た。
「おいッ!? いきなり失礼じゃん!!?」
思わず、ツッコンでしまった。
「ねぇ〜 カプちゃん。この芋娘が今のカプちゃんの主なの。悪いことは言わないから辞めたら」
「どういう意味ですか、アクエリアス」
あっ、カプリコーン。キレてる......しらない〜
「そんな顔しないでよ、カプちゃん。カプちゃんには悪いけど、もう少し、いい主に仕えることをお勧めするわ」
アクエリアスは私をマジマジ観察し始める。
「装備は申し分ない。感じからして、タウちゃんが作ったやつだね。ここにいないってことは、別の場所にいるのかな。タウちゃんにも会えるのが楽しみ!! でも、それだけね。顔の形はまー合格ギリギリだけど、他が貧弱すぎ。カプちゃんを隣に置いとくなら、女を磨かないと......」
ここまで言われたのは、おそらく初めてかもしれない。そういえば、消費アイテム扱いでメイクアイテムがあるんだっけ。メイクすれば、魅力値に補正がかかるとか。私は装備品で魅力値は事足りていたから、気にしなかったけど......これを機に買い揃えるのもアリかもしれない。幸い金には余裕がある。大人買いってやつを一度はやってみたいから、海底都市を出たら、アイテム探しも悪くはない。
う〜ん、なんか大事なことを何個か忘れているような......
「アクエリアス。貴方の”美”に対する飽くなき探究心は尊敬しています。ですが、私が愛したお方を愚弄することは許しません」
「カプちゃん......そんなにこの芋娘に惚れているの。へぇ〜」
巨大な瞳がどアップで近づく。下手なホラーより怖い。
「面白いじゃない♡ 貴女、名前は?」
「え、ユミナです......」
「そう。では、ユミナ。しばらく貴女に所にやっかいになるわ」
「はぁ?! どうして」
「カプちゃんがこんな乙女になっている姿、初めてだもん♡ だから、確かめされてもらうわ。ユミナに価値がある女なのか」
「わかった、よろしくね。アクエリアス!!」
手を伸ばし握手しようとするが弾かれた。
「生憎、一定ラインを超えた女性としか握手しない主義なの」
(............殴りたい)
拳を引っ込め、冷静に物事を進めることにした。
「将軍、そういうことだから。神様、連れて行きますね!!」
グッダグ将軍は呆れていた。
「流石に、あの方を神様と崇めるのは、後々に大きなしこりができるかもしれない。しかし問題がある。我々はこの先、何処に住めば良いのか」
「ここじゃダメなの?」
「この海底都市はな、石像だったアクエリアス様がいたから他生物からの侵攻を極力なくしていたんだ。だが、今回の一件で、都市に守り神がいなくなった。これに乗じて、攻めてくる者どもが加速的に増える。警備を強化するか......」
「アクエリアス!!」
「何、イモナちゃん」
「ちょっと待って、『イモナちゃん』?」
「芋娘のユミナちゃん。略してイモナちゃん。これからはそう呼ぶわね」
「なんて、勝手な......まーいっか。でさぁ、この都市を守る守護神的な奴出せない」
「めんどくさい......」
「じゃあ、アクエリアスは放置するわ。良いカプリコーン?」
「構いません。リリース、です!!」
(わかっているじゃない、流石は私の麗人執事!)
「はいはい、わかりました。じゃあ、これで」
指パッチンをしたアクエリアス。海底に亀裂が生じる。空間から、サメ、鯨、クラゲ、タコ、イカなど様々な海の生き物が全て巨大サイズで出現した。
牢屋でカプリコーンから聞いていた。アクエリアスのスキルと内容を。
石化解除した後、海底都市は無防備になる。それは私の本意ではない。作戦は上手くいって何よりだよ。
「ちょっとやそっとじゃ、倒れない奴らだから。この子達を都市の周りにでも配置すれば、よっぽどのバカじゃなければ攻めてこないわ。ついでに周りの建物も死んだ者も直しておいたから〜」
「感謝します、アクエリアス様」
「これで良いのよね、イモナちゃん」
「ありがとう!!」
目を逸らすアクエリアス。ほんのり頬が赤く染まっていた気がする。
「か、勘違いしないでよね。カプちゃんに嫌われたくないから、やったの。決してイモナ......ちゃんに言われたからやった訳じゃないんだからね!!」
「はいはい。それじゃあ、脱出しよっか」
「ユミナよ」
「将軍......えっと、今日は」
「今度は、観光に来てくれ。君らなら歓迎しよう」
「良いんですか?」
「この目で伝説の人魚姫を見れたのだ。解放してくれたユミナには感謝している。時に女よ、ミランダと言ったか」
将軍とミランダは目を合わせる。
「君ら海賊がしたことは許されることではない」
「分かっています」
「だから、これを渡しておく」
麻袋をミランダへ。
中身はミランダの装備品と笛。呼子笛に似ている笛を見て困惑するミランダ。
「これは......」
「その笛を吹けば、我らがお前の所に来る。後は、わかるな」
「分かった。その時が来たら、必ず貴女たちを呼ぶよ」
「ミランダ!! 行こう!!」
こうして、私たちは海底都市:アトランティスを後にした。
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《
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職業:MAIN:【剣星】SUB:【悪魔】
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アクエリアスが星霊を呼ぶ時
ヴァルゴ⇨ヴァルゴ
レオ⇨レオお姉ちゃん
キャンサー⇨キャンサーさん
サジタリウス⇨サジサジ
スコーピオン⇨変質さん
リブラ⇨頑固ちゃん
ピスケス⇨ピース
カプリコーン⇨カプちゃん
アリエス⇨ドエス
タウラス⇨タウちゃん
ジェミニ⇨ジェーズ
オフィュキュー⇨オーちゃん⇨ババア
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