第21話 カイブツがやってきた
どうするどうする、考えないと......ここままじゃ最悪な状況になる。
今いた場所は地上一階と地下一階の間、最下層ヘまでは少しだけ時間がある。残された時間の中でやらなければならないことがある。
まずは三人で薄暗い空間から脱出。脱出には出入り口を目指さないといけない。電子扉を蹴破るしか方法がない。私の蹴りスキルなら問題なく突破できる。
しかし、今の私は上にいる。このまま扉を破壊して地下の階層に入ると下にいるアリエスとフィーネは間違いなく、落下し、金属の地面に激突する。
落下速度が計り知れない状況下に例え、私よりも防御力のある装備を着用していたとしても、衝撃で、アリエスが耐えれる保証はない。
なら、初めにやることは一つ。三人一緒に固まること。離れては何もできない。
「アリエス、フェーネ!!」
使い物にならなくなったロープに足を置く。
足に付いている地面や物を足場にすることで速度を上げる『ダッシュ・ストーム』。
HPを消費することで速度調整が可能なスキル、『ターボ・チューニング』。
MPを消費することで速度を底上げ調整が可能なスキル、『ニトロ・サポーター』。
対象まで進むことができるスキル、『
目にかかる速度圧を軽減できる代わりに自分の元々のVITが一定時間、低下するスキル、『
敢えて落下速度を上げ、二人へ向かう。フェーネが小さい体で無理してまでアリエスの襟元を掴み、翅を勢いよく羽ばたかせ落下速度を下げている。落下死までの時間は多少、増えた。
「お待たせ!!」
二人を抱き抱える。が、地面は目の前。
『痛覚変換』、『
体を捻りながら地下二階の扉を破壊。即座に壁を蹴り、室内空間の廊下へ侵入。
「大丈夫ですか、ユミナ様」
背中を抑える私に申し訳ない顔を浮かべるアリエス。
「大丈夫、大丈夫。『痛覚変換』のおかげでなんとか無事」
受けたダメージ量を自身に強化できるスキルが『痛覚変換Lv.10』。
今の私はフェーネのせいで感覚が鋭敏になっている。
手に物が触れる分には問題ない。壁を殴るなどの行動を起こすと、体が興奮、錯乱してしまう。
何回か味わったことで軽減できるスキルを獲得した。それが、『痛覚変換』。
レベルに応じて受けたダメージ分を自分のステータスにランダムで付与できる。
Lv.1の場合は、仮に”1”ダメージを受けたら、超低確率でVITの数値が”1”増えるとか。
今の私はLv.10。ダメージを受ければ、100%自分のステータスに付与できるし、効果時間も長いので助かっている。
「『
足技スキル『
「うわぁ、来た......」
「キモいですね」
「......帰りたい」
フェーネ。帰るための手がかりを求めて地下に来たでしょう。
それにしても、アリエスの言葉には同意。
微かな明かりで見るしかできないが、確かにキモい。ホラー映画に出てきそうな人外生物って印象。
口からは唾液を垂らし続けていた。頭部から足部にかけて皮膚がただれ、筋肉表面がむき出し。前足後ろ足には鋭利な爪。砂浜で戦った水生生物同様、体の一部に機械が埋め込まれていた。
「二人は援護」
「ユミナ様は......」
「当然、前へでる!!」
双剣を構える。時間差を空けて、魔術本を取り出す。狐のコーちゃん、猫のNEちゃんにアリエス達の援護を任せた。キューちゃんは私の補佐を担当。
怪物と同時に私は飛び出した。
「行くわよ、
⭐︎⭐︎⭐︎
頭:黒薔薇の魔女帽子
上半身:
下半身:
足:
右武器:
左武器:
装飾品
①:
②:魔術師の手袋【赤青】
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