第8話 挑め、魔術師の乙女よ!
今日は一段と大図書館に通じる道は周りの草原の損傷が激しい。
「大丈夫? カレッタ」
大の字で草原に突っ伏しているカレッタ。第一王女にも関わらず、一切上品さはなかった。あるのは先に進みたい魔法への憧れ、直向きな姿勢だった。
「まだまだです......」
何度も挑戦しているのである程度のカラクリは頭に入っているのだろう。
魔法使いに欠かせない杖をしまってから進んでいる。
幸いにも私達以外は誰もいない空間。バレることはないだろう。
例え、情報が漏れたとしても大扉による熱い洗礼を受ける。
魔法だけが全てではない。
己が今まで鍛えてきた体が使えるのかの選定。
基準値をクリアした者だけが大図書館に足を踏み入れる。
ケンバーの真意を伝え、カレッタはちゃんと親族にも報告したらしい。
どこの馬の骨かもしれぬ私の言葉をそのまま鵜呑みにはしないだろうっと考えていた。
どうやら、私は王族NPCに知れ渡っているらしい。長年、入れなかった大図書館に入れる冒険者と認知されているとか。
他にも「サングリエ」にある聖女教会から圧がかかっている。
きっとアシリアさんだろう......まだまだ道のりは遠いけど、早く会いたいよ。
私の膝で黒金色の毛並みをもつ
「大丈夫よ、今のカレッタには迷いはないから」
優しく
元コーちゃんには申し訳ないけど、《ウェントゥス・アラ・アルブス・フェーレース》はやりにくかった。
形の良い胸と尻、脚線美を際立たせる黒いラバースーツ風を身にまとい、鉤爪で攻撃してきた。
「ユミナ様、どうですか?」
振り返ると、アリエスが近づいてきた。
「順調だね!!」
難しい顔をするアリエス。
「どうしたの?」
「いえ、ただ......新しい人がこちら側に来たと。対策を考えなくては......」
こちら側? 何が?
「で、学園はどうだった?」
「新鮮で楽しかったです!!」
聖女時代も教会で勉学を学んでいたが、いつも一人だったらしい。だから色々な種族が一斉に勉強しているのがアイリスには心が踊っていた。
教師NPCに聞いたら、授業を受けれると言われたからアリエスにはせっかくだしっと授業を受けさせた。勿論、護衛付きで......
「ありがとうね、キューちゃん!!」
アリエスに腕の中で抱きつかれている妖狐は主に褒められて嬉しそうだった。
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