第106話 秘宝? 16のラナンキュラス

「しっかし、怖かったの〜 さすがユミナの従者と妾の娘って事か〜」


「アイリスの器がわかった気がする」


 国の正門でリーナさんの準備を待つ私達。


「なんか、後味が悪い......」


「気にするな、リーナの試練だ」


「孫に厳しくない?」


「厳しくしないといけない時もある。ただ甘やかしては成長せん」


「関心するな〜」


 何故、ドヤる?


「ほ〜お。妾を褒めるか〜」


「歪んだ笑いをしたから無しで」


「無理だな、妾の記憶領域にきっちり刻み込まれている」



 星刻の錫杖アストロ・ワンドをアイリスに向ける。


「雷魔法で消えないかな〜」


「......お前さん、時々、怖い事を平気で思い付くよな」


「良くも悪くもみんなのおかげだけど......ねぇ、アイリス」


「なんじゃ、ユミナよ」


 私はストレージから装飾が凝っている小箱を出した。


......貰っていいのかな?」


 小箱はマリアさんから貰ったアイテム。友好の証と言われ進呈されたけど、豪華さ満載の箱に恐れ慄く。

 箱も凄いけど、中身のアクセサリーも不安しかなかった。


「貰って損はないぞ。そのアクセサリーは」


 箱を開ける。中身は黒と銀色で構成された造花のブローチ。名前は『覇銀の襟飾ヴァイセ・エーゲン』。花の種類はラナンキュラス。一六枚の花びらが何重にも重なっている、咲き誇る花びらは綺麗さと繊細な美しさを兼ね備えた、まさに神秘。


(確か......春の花だっけ? 奏が詳しいと思うけど......)


『オフィの指輪』を外し、『覇銀の襟飾ヴァイセ・エーゲン』を装備する。

 本来ならプレイヤーのアクセサリー枠拡張は「ムートン」にある施設でできる。

 でも、ヴィクトール魔法学園で受けれる《クエスト:封印されし装飾品》をクリアすれば「サングリエ」に行く前にアクセサリー枠を一つ拡張することが可能になる。


 装備した覇銀の襟飾ヴァイセ・エーゲンは左胸に設置された。幽天深綺のファンタズマ魅姫・ドレスに添えられた事で気品と上品な装いとなる。でも、覇銀の襟飾ヴァイセ・エーゲンの性能は......


「似合う?」


 ヴァルゴは非常にご満悦な顔を浮かべた。


「とっともお似合いです、お嬢様!!」


「......お前ら、何いちゃついているんだ?」


「アイリスには......うん?」


 私達へ来る人影が二つ。リーナさんと広間にリーナさんの脱走報告をした女騎士さん。

 捕獲した時に装着していた服装ではなく、高級感あるドレスに身を包んでいる。


「......お待たせしました」


 目を逸らしたまま会話をする。

 気まずい......


「ほれ、リーナよ。行くぞ」


「......お祖母様、行く前に一ついいですか?」


 ベイとラグーンが転移魔法の準備をしている最中に、リーナが口を開く。


「何じゃ?」


「広間で言った事、わたくしは間違っていたとは思いません」


 動く星霊達を手のひらを出して静止させた。


「それで?」


 私に近づくリーナ。


「わたくしと闘いなさい。負ければ貴女の言いなりになります」


 突然の決闘宣言。アイリスに目を向けると。やってやれの眼だった。


「わかりました、やりましょう!!」








〜装備欄〜

 頭:黒薔薇の魔女帽子(VIT:150)(MAT:200)

 上半身:幽天深綺のファンタズマ魅姫・ドレス劫力白双シャイニング

 下半身:幽天深綺のファンタズマ魅姫・ドレス(MAT:500)(CHR:1000)

 足:炎削の鷺ドリューエン(AGI:200)(CHR:200)



 右武器:星刻の錫杖アストロ・ワンドLv.6:【ENERGY MOON】120/120

 左武器: 


 装飾品

 ①:覇銀の襟飾ヴァイセ・エーゲン

 ②:魔術師の手袋【赤青】 DEX:200 LUC:60 炎魔法威力アップ付与 水魔法威力アップ付与

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