第85話 ユミナ様は天使に興味深々
私とカプリコーンは『セルパン』の周りあるフィールド、
街中にジャンプはしなかった。メインストリートは言わずもがなだが、路地裏でも人がいないとは限らない。プレイヤーに空間から出てきた私たちを目撃された暁には逃走生活不可避だからだ。
いろいろな理由で
「なんか、私が変な質問したのが原因だよね。ごめんなさい」
「気にしなくて大丈夫です。昔からなので!」
カプリコーンと戦いしていたヴァルゴとアリエスはあの後、
「二回目になるけど、ありがとうね」
「主についてくのが執事としての私の役目です」
カプリコーンは私の執事。麗人が執事服を着ると似合うのは万国共通。カプリコーンの服装は執事として働く際に着用する服装。襟元に水色と白色が入り混じった、黒色のタキシード。ヴァルゴよりかはないがなかなかあるモノを封じている銀色のベストとシャツ、黒色のパンツとドレスシューズを履いている。
私の一歩後ろを歩いているカプリコーン。
「まさか、執事まで従者になるなんてね!!」
「寧ろ、今まで女王のユミナ様にいなかったのが不思議です」
「みんな......星霊をあまり見せれなかったから」
「三人の姿を見て、ご主人様は大層大切になさっていると確信しました」
「ふふん、ありがとう!!」
『セルパン』の街中を歩き、目的地となるヴィクトール魔法学園へ進む。
『セルパン』はいわば魔法使いの街となっている。魔法使いの世界であり、街中は魔法の恩恵にあふれている。魔法使いに必要なアイテムや武具が揃っている。
最前線にある武器や防具は確かに性能がいい。でも、魔法使い系統の職業を持っているプレイヤーは『セルパン』で集めた方が効率的。
最前線で入手した素材類はヴィクトール魔法学園や街中にある鍛冶屋に持っていき生産武器を依頼すれば割引がきく。他の街では割高のアイテム類も魔法使いの職業を持っていれば多少、値引きされる。
服装や装備品、魔法道具は店売りもあれば、魔法使い専用のクエストをクリアすれば手に入るレアなアイテムも存在する。魔法素材も『スラカイト』大陸に多く採取できるが、
魔法使いの職業を持っているプレイヤーはかなり優遇されている『セルパン』。当然、今まで取得していなかったプレイヤーもいるが、ただ取得するだけでは待遇はよくない。
「まさか、学生にならないといけないなんて......」
「失礼ながら、ご主人様は貧弱です。己を鍛えるのなら専門分野を伸ばすのが吉」
「ヴァルゴにも言われているよ。トホホッ......」
ヴィクトール魔法学園の入り口に到着した。
「まぁ、強制的に授業を受けなくていいのはありがたいかな。行こっか、カプリコーン」
「どこへでもお供します」
六つ目の街、『セルパン』。ヴィクトール魔法学園に所属する魔法使いだけが全てに有利で、それ以外はただの一般人となっている。
カプリコーンのステータスを見ると魅力値に大きく振っている。私も体験したけど、魅力値にステ振りすれば男女、モンスター問わず魅了できる。私の場合はなぜか女性メインだけど......実に不思議だ。
NPCN:【カプリコーン】
性別:【女性】
種族:【星霊】
職業:MAIN:【星天】
SUB:【大天使】
Lv:90
HP:400
MP:600
STM (スタミナ):120
STR(筋力):120
MAT(魔法攻撃力):100
DEX(器用さ):400
AGI(敏捷):150
VIT(耐久力):200
LUC(幸運):300
CHR(魅力):600
〜装備欄〜
頭:山羊の執星
上半身:山羊の執星
下半身:山羊の執星
足:山羊の執星
右武器:
左武器:
装飾品
①:山羊座の指輪
②:ウラニアの指輪
〜スキル欄〜
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〜
・ケンビキョウ
・ツル→LOCK
・チョウコクシツ→LOCK
〜呪文欄〜
・ティフラ
・パルルフ
・ラドフル
・ナサエル
・ハスシュト
・イチェーム
私がカプリコーンの背中を見ている。恥ずかしそうな顔をしていた。
「ご、ご主人様?」
「カプリコーンって『大天使』だよね」
「さ、左様です......が?」
私はカプリコーンの背中をさわる。『山羊の執星』、執事服の布の感触がいい。
「翼は......見えないんだね」
「ご期待に添えず、申し訳ありません。以前は背中にあったんですが」
「もしかして、かなり訳あり?」
「いえ、気にしなくて大丈夫です。星霊に就任した時、翼がなくなりました」
「それは......」
「あっ、私自身は感触はあります。あっ、あっ体の一部ですから。他者からは私の背中にはナニもないように見えているはずです」
「認識されていないみたいなもんか」
「今はスキル起動時に翼を展開できます」
カプリコーンのスキルに【
所持スキルでは星霊お馴染み【形態変更(モデリング)】やカプリコーン専用の【接触禁止(ミカエル)】でも翼が使える。リキャストタイムを考えると【
私はカプリコーンの背中をなぞるように触っていた。
「へぇ〜 早く翼を見てみたいよ」
「その時は、あっ、いつでも、あっ、お見せ致します。あの......ご主人様、あっ」
「うん? どうかしたの?」
カプリコーンの声が徐々に艶のある声に変わる。あんなにヴァルゴたちを欲望まみれなどと言っていたがやはりカプリコーンも女性。ふとした瞬間に興奮するのだろう。見てよ、周りにいるプレイヤーを。カプリコーンから放出された色気のある風にあたって、ドキドキしているから。
「本当に大丈夫? どこかで休む?」
「いえ、休みは大丈夫です。それよりも......背中を触るのをおやめ頂ければ......」
うん? 背中? なんで?
「私の背中には見えていませんが翼があります」
「うん、さっき教えてくれたね」
「翼は私の体の一部で感触は当然、あります」
「うん、さっき教えてくれたね」
「な、なので......あっ、ダイレクトに感帯が刺激されて......」
「やめたいのは山々なんだけど。カプリコーンの翼、触り心地いいんだよね」
「それは嬉しいですが......あっ、あっ」
「ずっと触っていたい!!」
「......ご勘弁を。んっ......」
その後、ヴィクトール魔法学園ではちょっとした噂が流れた。
自分の従者を他人に見せびらかし、公衆の面前で卑猥な業務をさせている姫さまがいるとか————
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ユミナは麗人の背中を触っているだけ。決して深い意味はない......
ヴィクトール魔法学園の授業クエストや武器防具製作に必要な素材やアイテム収集が主な活用場所。
一般プレイヤーも入れ、素材なども収集できるが、魔法使いのプレイヤーよりドロップ率が極端に低く設定されている。だから、大抵のプレイヤーはボスモンスターが配置されている場所までほぼ素通りの行動を取る。
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