第59話 触れる理由は見つかったか?
「やっぱり、アリエスってスベスベだよね」
ビクついているアリエスの腕を頬擦りしていた。
お金はいくらあっても腐ることはない。素材集めを並行してお金集めもやっている。叶うことなら一度に大量にお金が増える方法があれば問題ないんだけど......簡単には見つからない。
「あの、アタシは......」
アシリアさんの時も感じていたけど、金髪美少女っているだけで心が浄化されていく気がする。しかもアシリアさんもアリエスも聖女の職業。人を綺麗にすることが出来る存在なのだ!!
現実ではあり得ない事だが、アリエスを触るに移行すると自分に運気が巡っていたように至福状態に陥ってしまう。
「満たされるってこうことなのかな......!」
「アタシに触ると......」
「私が触っちゃ、ダメ?」
「いえ、ダメと言う訳ではなく......ユミナ様のお体にさわります」
「それを言うなら、アリエスの方が深刻な顔になっているけど」
そんな顔は出していませんアピールをするアリエスはお化けモンスターが出てこない数点の絵画を『ウラニア』の無限倉庫へ放り投げた。
「アタシは大丈夫ですので......」
「アリエス......主としてハッキリ言うね」
「......はい」
「抱きついていい?」
驚愕の表情を浮かべるアリエスだが、回答を出させる前に私は抱きついた。
「柔らかい......!?」
本当に元人間? 前に星霊にはならないと固く誓ったが、もしも星霊になることで女性として上に受けるなら、考えものだ。
「ダッ......メ......です!!」
アリエスが突き放したことで私は尻もちをつく。
主人に対して愚行をしたことにオロオロするアリエス。手を出して私を立たせようと行動を起こすが徐々に自分の手を引っ込めていた。
「申し訳ありません」
あぐらをかく。女の子には少々はしたない格好だけど、他に誰もいないことだしまぁ、いいかの精神で姿勢を直さずアリエスを見た。同時に私はステータスを開く。
HPが九割も減っていた。ある意味、アリエスが突き放してくれたお陰で死亡することはなかった。
ダメージ量が休憩前に戦ったハンマー持ちのお化けモンスター以上だった。
持ち前の回復魔法でHPを全快にして、消費したMPは新たに手に入れた【
大きく両腕を広げる。
「ほら、この通り私は元気だよ。だからそんな深刻そうな顔はやめてよね」
「失礼を承知で言うことをお許しください、ユミナ様。これでわかったでしょう、アタシに触れた生物は皆、危険な状態になります。今回は軽症でよかったものの次はそうはいきません。主を殺したとなればアタシは......この世に居場所はありません。だから、二度とアタシに触れないでください。アタシは大丈夫ですから」
「それで幸せなの?」
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