第18話 事後はありません......信じてください
「これはどういうことだろう?」
現実での用事を済ませた私は、ゲームへログイン前に携帯端末を見た。
そういえば、
《せつなと愉快な仲間たち:SMKM》
せつな:誤解を招く言い方しないでくれますか〜
みはる:二人は本当に仲いいわね!
せつな:みはるちゃん……助けて
みはる:応援? そだね……あぁ!? 先生に呼ばれたからいったん消えるね〜
せつな:逃げたね、みはるちゃん......
せつな:話を変えるけど、
せつな:昨日の夜、『ヴァーシュ』に着いたよ!!
せつな:勝ったのは完璧に私の実力だよ、
せつな:いや〜 遅くなったのは事情がありまして
せつな:お祭り? かは分からないけど、夜でも街がうるさかった
せつな:『聖女の巡礼』?
せつな:おk! ありがとう!!
なんて
目を覚まして、宿屋の天井を見つめる。
「……す……す……す」
隣で寝息を立てている青紫髪の女性が私の隣で寝ていた。NPCもちゃんと睡眠をするのかと新たな発見をしたけど、問題は違う。
ヴァルゴはなぜか私の右腕を己の谷間に挟んで私を動けない様にしていた。右腕だけしか分からなかったがヴァルゴはもしかして……
そっとヴァルゴを見た。
着ていた乙女の星騎鎧シリーズの装備は脱いでいる。インナー姿であるがなかなかに目に毒って状態。変態的に言えば、服からでも分かるスタイルは完璧、白い太ももが眩しい。髪もサラサラ。女性の特徴でもあるミサイルが凄いなど、など......
ヴァルゴを構成する容姿はゲームの運営がつくった。わかっている、分かっているよ……現実と勘違いする感触。私のアバターに、ダイレクトにヴァルゴの特大圧の感触が伝わる。なんだか、悲しくなってきた。圧倒的ステータスを所持している人との差を味わうとは思わなかった。
「同じ女性だよな……」
ヴァルゴを見た後、自分のアバターを見つつ、複雑な顔を浮かべる私。
いや、ユミナも充分よい体だよ! 問題は現実の私だよ。ここまでの格差があるなんて……
スタイルを抜きにしても、う〜〜〜ん……誰かと一緒に寝るなんて経験がない。
項垂れている私を尻目にヴァルゴは目をこすりながら起きた。
「——ッ!?」
「おはようございます……お嬢様」
「ヴァルゴ……確認してもいい?」
「はい? なんでしょうか?」
「なんで私の隣で寝ているのかな〜 ヴァルゴのベットもあったはずですけど」
おかしいな。ちゃんと二人部屋を決めて、ちゃんと二つベットがある、も確認した。ちゃんと左に私、右のベットはヴァルゴと決めたはず……
上半身を起こして、見つめ合う私たち。
「見つめられると恥ずかしいのです。お嬢様......」
「全面的に悪いと思うけど……てか、質問の答え!」
私の手から伝わるヴァルゴの震え。大きな振動ではなく、小刻みに身体が震え出していた。
「…………寂しかったんです」
そっか……なるほどね。長い時間、意識がある状態で石化していた。私が石化を解いてから宿屋まで一緒にいた。でも、もしかしたら自分の夢なのではないかと考えてしまって私のベットに入ってスヤスヤと寝てしまったと。
私はヴァルゴの手を強く握る。
「大丈夫よ、私はここにいる。ヴァルゴの前にね!!」
「良かったです。また一人になってしまったのかと……」
「もう、泣かないでよ。よしよし」
突然壁に立てかけていた
『NPC「星霊族ヴァルゴ」の
『
うん? レベルが上がった? 何か特別な行動したっけ? 見た目は変化がない。ならば、性能の方か。とりあえず変化しただろうと踏んでいるので確認した。
・
星が一つ集った。絆が壊れてない証明。
装備時、HPや他のステータスが200、MPが400プラスされる。
【ENERGY MOON】の上限が50までとなる。満月と十六夜(いざよい)の月でエネルギーが供給される。吸収時間も1分短縮。
変化:
戦闘開始から6分間、パーティーのHPが減らない。
NEW:
戦闘中、ランダムで種族:【星霊】のステータスが上昇。発動者は上昇したステータスを自身のステータスへ上乗せできる。
NEW:
室内、屋外でも満月を生成できる。効果時間は発動者の元々の最大HPから現状HPとの差。(HP1=1秒)
「私、誰かに狙われないか心配」
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