第9話 裏切りの星座
「......日記と魔導書?」
二冊の本のカバーは全体が茶色で一部金色の装飾が施されている。
アンティーク風の本と言えばいいのか。なんとなく味がある見た目。
魔導書の中身はさっぱり読めない。オニキス・オンライン独自の文字なのか解読不可能だった。
しかし、始まりの街にある文字も日本語ではない。初めは読めなかったが瞬時にプレイヤーが読むために自動的に変換される。でも、魔導書に書かれている言語は自動翻訳機能が全く機能していなかった。考古学みたいな職業を得ないと解読は困難かもしれないと思い魔導書は後回しにする。
残った日記帳を開くと今度はちゃんと翻訳してくれて私でも読むのが可能だった。
内容は13人の星霊と悪神レユゴリとの戦いが記されている。
「……杖は一度、壊されてたんだ」
星霊の力を高め、また守護する杖であらゆる呪いも打ち消しができる代物。しかし仲間の一人が杖を持ち出し敵に寝返った。悪神を封印するには成功した。でも、代償で力が弱まった12人の星霊は元仲間に一人、また一人と石化されてしまった。そして、元仲間はかつての同胞が石化から解放されないために伝説の杖を破壊したと……
で、日記の持ち主さんは昔、スラカイト大陸では有名な賢者でもあった。彼は星霊と悪神との伝説の戦いを調べ長年かけて破壊され、散り散りなった杖だったモノを回収。復元までさらに長い年月を費やしていた。
「
へぇ〜 私が倒したゴブリントロールは賢者さんが作ったんだ。ただ賢者が死んでからも命令は守っていた。けど、長い年月が経過していたから気性が荒くなりプレイヤーを襲う……お、お疲れ様です?
「最後は……文字と写真?」
日記の最後のページ。
〜ワタシの代わりに12人の星霊を探してくれ。役に立つか分からないがワタシの部屋に入れる素質がある者ならワシの全てが記されている魔導書が使えるだろう。多少時間がかかると思われる。間違った行動を取れば君は必ず堕ちる。だから、深淵の魔に取り込まれないでくれ……最後に君の人生が輝くのを祈っているよ〜
写真に似た精巧な似顔絵の紙が挟まっていた。
うん? 似顔絵の顔って!?!?
「だ、だからか……」
一種の恐怖を覚えた。そして、修復された杖の存在は知らすのはダメだ。決して口外してはいけない。
日記を閉じた瞬間、目の前にウィンドウが突然開かれた。
『《
一気に情報過多になりパンク状態の頭。
「ふふう、のるのも人生かな……!!」
『はい』を押した私はクエストを開始した。まさか、
部屋から持ち出せるアイテムは三つだけだった。
・賢者の日記
・古びた伝説の錫杖
・解読不可能な魔導書
賢者部屋を出た私。依頼主に見つかるのではと心配したが壁は忽ち、元に戻りまた洞窟の壁が出来上がっていた。
「ひとまず、安心かな……今度は私の方か」
正直、酒場には行きたくない。でも、せっかくクリアしたんだから報酬は欲しいし……
自慢ではないけど、ポーカーフェイスは苦手ですぐに顔に出てしまうのが私だ。
「待てよ……ゲームの身体は本来の私ではないから大丈夫か……」
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《
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「お納めください、
私は教室で目の前にいる友人に膝をつき、献上品のコーヒー牛乳を差し出した。
「うむ。ご苦労である、せつなよ」
手のひらに置いたコーヒー牛乳を持ち、己のモノとして飲み始める
「あ〜〜あぁ!! 幸せ!!!!」
「気に入ってくれてよかったよ」
自分の席に座る私。
「で、せつな? ゲームは順調?」
「うん!!! 順調だよ」
「良かった、良かった〜 美味しい!」
小部屋でのイベント後。酒場にいたオフィュキュースさんにタロットカードを渡したが新たなイベントは発生せず、報酬だけ貰って終わった。
なんか拍子抜けだった。もしかしたら、ゲームシステムさん、賢者アイテムを持っていない動きを働いてくれたかもしれない。もし、序盤でバレるとがオニキス・オンラインの世界が……半壊するだろうし。バットエンドまっしぐらは運営的にも不味い。だからのシステム的な介入があったと考えた方が自然かもしれない。
ログアウトした私は自分が発生させたクエストを調べたが攻略wikiには記載がなかった。私の他にも発生させた者がいないのかもしれない。もしくは隠しているか。現状、私だけ発生しているのかは分からない。細かいのは気にしないで私は私の目的を完遂しないと……
「ごめん、
「ほ〜〜い!!」
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