第3話
早速、指示の通りに自分の名前を入れてみることにした。
【名前は三上
【ミカミサクラダ様ですね。名前の登録が完了致しました。】
「違う、サクラ。“だ”までいれなくていいんだよ。間違えてるせいでスペインの世界遺産みたいになってるじゃないか」
【それをいうならサグラダではないでしょうか。】
「うるさいな。っていうか音声認識もしてるんかい」
【はい、私は言い訳代行アプリ。音声認識にも対応しております。それでは、サグラダ様、現在のご状況をお聞かせください。】
「もう名前、サグラダになっちゃってるじゃん。」
俺は一つため息をついたが、何せ時間が無い、細かいことは気にしていられなかった。
「はぁ、もういいや。明日、夏休みの宿題を出さなきゃいけないんだが、今日になってやっていない数学の問題集を見つけてしまったんだ。次に忘れ物をしたら親との三者面談を入れられるかもしれない。忘れても担任に怒られないような言い訳を考えてくれ」
【承知しました。私は言い訳代行アプリ。完璧な言い訳を考案致します。】
【案1:『数学の問題集をやりきりましたが、家に忘れてきてしまいました。』】
【数学の問題集は担任に見せなければ、やったかどうかわからないためサグラダ様と担任に信頼関係があるのでしたら、効果的な言い訳です。】
「ああ、もうその言い訳を使ったことあるぞ。そういうのって、ずっと先延ばしにすることってできずにどこかで見せなきゃいけないときが必ず来るんだよ。なんかそういうありきたりで俺でも思いつきそうな言い訳じゃなくてさ、“ 他の人と被らないような言い訳 ”を教えてくれよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます