第2話

【言い訳代行アプリへようこそ。】

【理想の言い訳をお作りします。】

【お客様のお名前と、お客様の現在のご状況を打ち込んでください。】


 インストールしたばかりのアプリを起動させると、女性の電子音声が流れたと同時にチャット形式の画面にそのような文字が表示された。

 『言い訳代行アプリ』とはなんとも胡散臭い名前である。


 なぜこんなアプリを起動しているかと、自分でも不思議に思う。


 宿題をやっていないことを担任にどういうか悩むものの良い案が浮かばなかったため、現実逃避をしようと俺はスマホに手を伸ばした。

 そのときに、同級生がクラスのグループRINEにこのアプリの招待コードを送ってきていたのに気づいたのだった。


 なんでも、人に紹介しただけオンラインショップのギフトカードがもらえるということらしい。


 普段ならこうした怪しいアプリには手は出さないのだが、今の俺には渡りに舟、地獄に仏、俺に言い訳代行アプリだった。



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