(二)-8
確かに小さい頃、僕たち兄弟は、兄弟になる前から仲が良かった。
一番古い記憶は、物心ついてすぐの三歳の頃のことだ。兄の自宅の庭で、七歳年上の小学生の兄と遊んでもらったことを覚えている。何をして遊んでいたかは覚えていない。でも家が近所同士だった僕たちは、歳が離れていたけど、よく遊んだ。
五歳のときのことだった。泣きじゃくりながら新しい父に手を引かれて今の家に連れてこられたことを覚えている。
「今日からうちの家族の一員だからな。よろしくな」
父の口唇がそう告げた。
この家に連れてこられる少し前、僕の父と母が交通事故で亡くなった。他の親戚は遠くに住んでいたので、友人同士だった、今の両親に引き取られた。その後、僕は兄の家の養子になり、苗字も中千住から
(続く)
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