第437話 人間だった

  【投神健在】 神聖! 佐藤直史総合スレ part1252 【今年も!】


232 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 最近はサイトもおかしくなるよな


233 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 SNSは流れが早すぎて追っていけん


234 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 実況スレ終盤の阿鼻叫喚はなんやねん


235 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 鳥派の悲鳴wwwww


236 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 福岡が負けると飯が美味い


237 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 なあ、前の試合ノーヒットノーランしたよな?

 なんで今度はパーフェクトなん?


238 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 大サトー健在を示す

 よりにもよって福岡相手に


239 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 ライガースならヒット一本ぐらいは打てたよな


240 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 1-0で勝利ってあまりにも無慈悲すぎるwww

 本当に草生えるwwwww


241 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 なんで蛍すぐ死んでまうん?


242 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 パーフェクトしてくれないと満足出来ない体にされてしまったワイら……


243 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 昔はよくサーバーが落ちてたものよなあ


244 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 今は福岡の選手の士気がずんどこ落ちてるな


245 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 大サトーはwikiじゃなくて専門ページあるからな 

 ナオフミスト有志による特設ページ


246 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 ここにいるやつも協力してるんだろうなあ


247 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 だいたい嫁さんに尋ねれば回答が返ってくるw


248 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 大サトーの一番のファンで嫁という事実


249 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 最大の理解者でもあるよな 

 高校入学後のスコア練習試合の分まで全部持ってるんだから

 おかげで動画作成の時にもお世話になってる


250 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 嫁可愛いよな


251 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 40過ぎのババアやん


252 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 童顔つーのもあるけど普通にまだ可愛かったぞ


253 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 とりあえず娘は……かっこいい?


254 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 ハンサムな彼女であるのう

 165km/hのストレートをキャッチできる女子日本代表


255 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 男に生まれていたらどんなプレイヤーになったことか


256 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 木津が130km/hで通用してるんだからマコちゃんも通用するんじゃね?


257 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 基礎体力かさすがに違うわ

 まあ左のワンポイントとかでは通用する場面もあるかもしれんが


258 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 そんなことよりパーフェクトの話しようぜ


259 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 パーフェクトはもう実況でお腹いっぱいでござる


260 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 今年はなかなかパーフェクト出ないな、っていう感覚が既におかしいですwww


261 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 シーズンまだ半分以上残ってるし、もう一回ぐらいは見れそうだよな


262 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 もう一回?……


263 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 ワロス



 パーフェクトマダックスの達成に、スポーツ関連の媒体は沸いた。

 さすがにそろそろ衰えてきているのか、などとも言われていたのだ。

 前の試合ではノーヒットノーランをしているのに、何をもってして衰えたと言えるのか。

 勝ち星や防御率など、投手タイトルを独走している直史。

 これをもってして衰えたと言われる意味が分からない、若い野球ファン。

 だがMLB時代の実績から考えれば、確かに昔はもっととんでもなかった。

 現時点でヒットを22本打たれているが、去年に比べれば倍ほどにもなる。

 もっともここから打たれないのが、直史なのであろうが。


 どこを全盛期とすればいいのか、メジャーで活動していた時期があるので、ちょっと分かりにくい。

 大介にしてもホームランが60本を打てなかったシーズン、衰えたなどと言われた。

 だがその年は最も敬遠が多く、最高出塁率は更新しているのだ。

 翌年にはまた60本のホームランを打っている。

 今年も既に20本には到達しているが、大介はどこかでまとめ打ちというタイプではないので、さすがに今年も苦しいか、などと言われている。

 43歳のシーズンを送る選手に、無理を言ってはいけない。


 殿堂入りには基本的に、10年以上の選手生活が必要だ。

 それを覆してしまったのが直史である。

 だが一応日米通算では、10年になっている。

 殿堂入りしてから選手生活が10年になるという、おかしなことをしているのが直史。

 他にも色々なおかしなことがありすぎて、打線を作るのは簡単そうだが。


 そんな直史であるが、さすがにパーフェクトの影響は残っていた。

 翌日こそキャッチボールだけで終わらせたのだが、その翌日もまだ違和感がある。

 疲労が抜け切らない体で、酸素カプセルなども利用した。

「平良も戻ってきたし、他の若手も使っていけばいい」

 そう言って自ら、登録抹消を告げたのである。


 首脳陣としてはもちろん困ったものだが、確かに先発で試したいピッチャーはいるのだ。

 直史の約25勝が、引退後は半分負けると考えれば、どうなるであろうか。

 またリリーフ陣も充実させないと、これまでのような数字は残せない。

 そもそも絶対に投げたら勝ってくれるピッチャーというのが、存在自体意味不明である。

 決戦で使えば勝てる、というピッチャーの存在。

 それは単純な勝ち星の減少とは、全く意味が違ってくる。


 直史の離脱を聞いて、ほっとするのはその間に対戦するチームだ。

 具体的には交流戦の間は、もう投げてこない計算となる。

 直史の次の登板予定であった、埼玉の選手は大喜び。

 ただそこで確実に勝てるほど、今年も埼玉は強くないのだが。




 直史が投げた試合では、その同日にライガースとタイタンズも試合をしていた。

 そしてここで司朗が、打率の首位をまた奪還する。

 この時期にこれだけの打率であっても、まだタイトルには意味がない。

 しかし司朗はここで、またも打率を四割に戻したのであった。


 史上二人目の四割打者。

 司朗の場合は長打を抑えているだけに、むしろ達成の可能性は高い。

 バットコントロールで安打製造器となっていたのは、高校二年生の頃まで。

 最後の一年にはパワーをつけて、ホームランを量産し始めた。

 元からある程度の長打はあったのだが、ホームランを狙って打てるようになった。

 しかしプロのピッチャーとなると、さすがにそれは難しいが。


 ここ七試合、ホームランが打てていない。

 それぐらいの期間であったら、別におかしいとも言えないだろうが。

 だが司朗の場合、一年目にホームラン30本を目標としている。

 三割30本30盗塁は、一つの目途となるだろう。

 その中で30盗塁は、既に達成してしまっているが。


 ホームランが打てない。

 タイタンズは中軸にホームランバッターを置いているが、それと打率も吊り合っているのは、悟ぐらいである。

 3000本安打を記録している悟は、司朗にとってもいいお手本である。

 ただ去年は膝を故障して、かなりの期間を離脱しているが。


 チームとしてはライガースとの、二位争いが激しい。

 互いの直接対決がないこの交流戦に、出来るだけ勝率を上げておきたいのだが。

 タイタンズは投手陣が弱いが、司朗としては不思議なところもある。

 二軍の若手を積極的に使っていくべきでは、と思っているのだ。


 去年の成績が5勝10敗とかいう先発は、一度二軍で調整するなり、リリーフに配置転換してみるなり、試してみるべきだと思う。

 だが司朗はそんなことを言える立場にはない。

 一年目の高卒新人が、何かを言えるはずもないのだ。

 ただ野手の側からすると、悟も不満は持っているようだ。

 年俸が高いので満足、というわけでないのはプロ野球選手として当然であろう。


 悟の場合はちょっと、プロ野球選手の中でも、かなり勝ち組のルートをたどっている。

 最初に埼玉に入団したのは、当時としてはまだ悪くなかった。

 新人王や多くの打撃タイトルを取り、やがてFAでタイタンズに移籍。

 ここから完全に、年俸は高騰している。

 もっとも悟が勝ち組であるのは、そのあたりのことを示しているわけではない。


 奥さんが元女優であり、かなり年下なのである。

 熱愛報道などがあったのだと、司朗は少し聞いている。

 年齢差があったのでロリコンなどとも言われたそうだが、10代後半で成人していれば、別に問題もないであろう。

 そんなことを考える司朗は、色々とちょっかいをかけてくる女性も多いが。


 度の強いマザコンである司朗は、なかなかお眼鏡にかなう女性がいない。

 外見も内面も美しく、教養があった上で家政もしっかりとし、上品であるという条件。

 そんな女はほとんどいないが、司朗が求めるのは普通であろう。

 ルックスも良く実家は資産家で、本人の年収も高い司朗。

 もっとも今はそんな未来のことまで考えず、普通に遊んでいてもいいのだろうが。




 司朗は完全に、野球に集中している。

 そして大介は順調に、打点やホームランを増やしている。

 ホームランを増やせば普通に、打点も増えていくものである。 

 実際に打撃タイトルでは首位を走っているのだが、三冠のうちの首位打者が取れないかもしれないというのは、ちょっと面白くない。


 大介はやろうと思えば、普通に今でも四割は打てるのだ。

 だがボール球を打っていかなければ、ヒットの数が増えていかない。

 規定打席に到達して、ボール球を全て見逃していったらどうなるか。

 ちょっと気になるところであるのだが、それでも充分に出塁率を保っている。


 フォアボールの数が20個ほど違う、大介と司朗。

 しかし敬遠の数となると、30個以上も違う。

 司朗もおそらく来年には、敬遠されることが増えていくだろう。

 ただタイタンズは悟が四番にいるため、下手にランナーを出したくないだろうが。

 司朗の打撃を存分に活かすなら、二番に悟を置くべきだ。

 膝の故障で盗塁はあまりしないのだが、走力自体はまだかなり高い。

 これで一番と二番を組めば、面白いだろうと思うのは、メジャーに長くいた大介だからだ。


 大介は野球自体を楽しんでいるのであって、自分のホームランにはそこまで執着がない。

 ただホームランを打つのが、打撃では一番貢献度を高くする。

 ホームランを狙うのが基本であって、だからこそ強く打っていく。

 その当たり損ないがヒットになるというのは、多くの強打者が言っていることだ。

 もっとも大介が狙っているのは、いつもジャストミート。

 だからこそボール球を体勢が崩しながら打っても、それなりに飛んでいく。

 そんなヒットを打ったことで、得点につながっていくのだ。


 打率はもちろん打点も、かなり司朗は取っている。

 基本的にはチャンスメイカーであるのだが、チャンスにおいては確実にヒットを打っていく。

 大介は楽しむ野球をしているが、司朗は勝利のために野球をしている。

 そこが二人の野球観の違いであるのかもしれないが。


 好きこそ物の上手なれ。

 そういうモチベーションがあるからこそ、大介はずっと野球を続けてきた。

 司朗の場合は野球そのものより、勝つことの方が好きなのかもしれない。

 直史と比較的話が合うのは、そのあたりが理由であるのだろうか。

 勝つのが好きというか、勝利に執着しているのは直史である。

 だからこそあそこまで、勝つためのピッチングが出来るのだろうが。

 それでも一時期に比べると、直史のモチベーションは下がっているはずだ。

 野球に飽きたと言うよりは、他にやることが増えているからであるが。


 その直史の離脱は、大介にとっては問題ない。

 交流戦の間に抜けてくれたことは、むしろありがたいものだ。

 直接対決でこそ、また勝負したい。

 しかしチームとしてのことを考えると、ここで確実にレックスを追いかけていかないといけないのだ。




 ボールが思ったほどいかない。

 これは肘を故障した時などの典型的な症状である。

 もっとも直史を診断したところ、そういった異常はない。

 単純に過労であろう、などと言われてしまった。


 直史は確かに、ここまで多くのイニングを投げている。

 球数で換算すれば、他のピッチャーとそう変わらない。

 だが完投するというのは、単純に球数だけの問題ではない。

 精神的な疲労もあって、そういうことになっていくのだ。


 肉体だけではない、精神的な疲労。

 ノーヒットノーランの次の試合で、そんなことをすればそうもなるだろう。

 気力だけでどうにかなるものではない、というのが一般的なピッチャーだ。

 しかし直史の場合は、肉体が正常であっても、気力や思考が衰えれば、肉体の使い方にも影響が出てくる。

「あの人も人間なんだな」

 などとチーム内で言われるが、いまだにそれを疑問視する人間はいる。

 もういっそのこと、人間宣言でもした方がいいであろうか。


 精神や気力の疲労というのは、神経の疲労であろう、と直史は考える。

 肉体的にはそこまででないといっても、過剰なストレスで欝になる人間はいるものだ。

 これまでの直史は、他の選手の心を折ってきた。

 だが今は自分の求めるものに、自分がついていけていない。

 それがストレスと言うか、精神的な負荷にはなっているのだ。


 ここで休みを入れて、あとはもう一度どこかで休むか。

 とりあえず20勝すれば、文句も出ないであろう。

 そう考える直史の貢献度は、相変わらず他のピッチャーに比べれば、数試合を休んでも飛びぬけたものであるのだった。

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