第332話 難易度

 首位攻防直接対決とは言いながら、レックスの方に相当のアドバンテージがある。

 これだけの差があれば、普通ならもうレックスの優勝を見込んでもいいだろう。

 だがどうしても、ライガースの爆発力が意識される。

(それでもうちが負けることは、まずないと思うけど)

 ペナントレースに勝つことが、レックスの日本シリーズ出場条件。

 それ以外だとライガースの爆発力に、レックスの投手陣が粉々にされる可能性がある。


 もっともライガースの先発陣も、それなりに崩れることがある。

 ただ崩れてしまっても、それ以上に味方が点を取ることがあるため、充分な勝率になってくる。

 もっともそれが通用するのは、レギュラーシーズンのみである。

 ポストシーズンにおいてはやはり、投手力がものを言うのだ。


 ここから重要なことは、ライガースとの差を一定に保つこと。

 一気に引き離してしまおうとか、そういったことは考えなくてもいい。

 重要なのはその過程において、ピッチャーを消耗させないこと。

 特に重要なのは、先発陣よりもリリーフ陣だ。

 六枚のローテーションピッチャーのうち、ポストシーズンで使うのはおそらく四枚まで。

 そしてリリーフの重要性が、さらに高まっていくのだ。


 去年のポストシーズンは、木津の意外な活躍に尽きた。

 もちろん主役級の活躍を見せたのは直史だ。

 だが木津がいなければ、勝てなかった可能性は高い。

 日本シリーズでも木津は、三連敗していたレックスを救ったのであるから。


 とりあえず木津は今年、ローテを守ってはいる。

 勝敗の星はほとんど変わらず、上手く試合を消化していっているのだ。

 リードするのは他の、四人の役目である。

 もっとも将来とは言わず、来年からでも先発に定着できるだけの、成績を収めてくれてもいいのだ。

 遠くない直史の引退に、三島のポスティング。

 また百目鬼もおそらく、将来的にはMLBに挑戦するのではないか。

 NPBでタイトルを取って、MLBに大型契約で入団する。

 それが野球選手としての最高のキャリアだ。


 ポスティングの価格が安くても、MLBに行って結果を残せば、大型契約が取れる。

 その場合は代理人の力が必要になるが、代理人にフィーを払っても、自分で交渉するよりはいい。

 およそ三年で20億ほども稼げたら、日本では見られないような大金を手に入れられる。

 通用しなくなっても、NPBだったらまだ通用するかもしれない。

 ただし向こうのリーグのハードなスケジュールで、体を壊していなければの話だ。


 プロ野球選手というのは、ハードな仕事である。

 半年間のレギュラーシーズンに、実際は拘束時間が、二月から11月まである。

 二ヶ月は丸々と休めると思うかもしれないが、休みに休んでいるプロなど、長くは活躍出来ない。

 もちろん休養の時間もそれなりには必要だ。

 しかしそれはトレーニングから、回復するための休養である。

 オフシーズンにどれだけのトレーニングをするかで、その将来は決まる。

 戦う相手はもちろん、試合の対戦相手である。

 しかし競い合うのは、同じチームの同じポジションの選手だ。


 直史からしてみれば、他に仕事を持っている自分が、わざわざそのポジションにいる必要はないだろう。

 昔から大学野球で大活躍し、指名確実と思われながらも、一般企業に就職した人間はいる。

 そういった人間は、プロの生活に対しての不安があったりして、絶対的な自信を持てなかったなどという。

 だが傍から見れば明らかに、その才能は傑出したものであったりする。

 直史もそうであったのだ。


 大卒でプロに入っていれば、とは今でも言われる。

 回り道をして結局プロか、ということも言われる。

 直史は確かに、野球で色々なものを得ることが出来た。

 しかしそれでも、いざとなれば自分には仕事がある、と気楽に考えることが出来るから、ノンプレッシャーでプロの生活を送れたとも思うのだ。




 プロの世界でやっていくための、絶対的な自信。

 それがなければ怪物だらけのプロの世界では、まず心が折られるという。

 常識的に考えれば、大学や社会人の中でも、その上澄みがプロに行くのだ。

 一位指名であっても毎年、その一位指名というのはいるのだ。

 よほど突出していない限り、一年目から結果を残すことは難しい。


 プロのパワーとスピードに慣れるのには、少しの時間がかかる。

 そこで挫折しないためには、強烈なプロ意識と、執着が必要である。

 だから覚悟が決まっていないと、プロでは通用しないと言われる。

 そして直史はそんな精神論を一蹴する。


 人間は余裕があるからこそ、大胆に生きることが出来るのだ。

 プロの世界でめった打ちにあっても、別に死ぬわけではない。

 命のかかったピッチングなど、直史でも一年ぐらいしかやったことはない。

 復帰後の一年目だけは、確かに初めて本気を出していたかもしれないが。

 それでもブランクがあったため、結果がなかなか出せなかった。


 今の直史のこれは、副業のようなものである。

 顔を売り名前を売り、人気を得るための商売。

 最後の一年は千葉にでも移籍して、ちょっと活躍できればいいだろう。

 県知事を目指すのか代議士を目指すのか、そのあたりは微妙なところがある。

 下手に知事になどなったりすると、様々な地元関連企業との関係が、逆にあることないこと言われるだろう。

 直史は保守派なので、リベラル野党の下品な攻撃に遭いかねない。

 もっとも直史の一般の政治家と違うのは、弁護士でもあるということだ。

 この資格はいまだに、県の弁護士会に所属しているため、問題なく使える。


 好き勝手にわめき散らす野党を、法律と人気で徹底的にすり潰す。

 そういったことが可能なのが、直史という人間である。

 愛国者と言うほどではなく、郷土愛が強いのだ。

 そして故郷を守るためには、日本という国が強くなくてはいけない。


 誰かがやらなければいけないことなのだ。

 もちろん地元の活性化も、やらなければいけないことだ。

 しかしここまでを人生の助走と考えれば、この先にやっていくことは多い。

 頭脳も肉体も、人はおおよそ30代の前半までがピークだ。

 だがそこから先にも、出来ることは色々とある。

 直史はもう少し、子供たちと暮らしたい気持ちがある。

 それでも自分にしか出来ないことが、色々と多くなってしまったのだ。


 輝くような活躍は、グラウンドの中に置いて行く。

 そもそも自分は、もっと地味な人生を送るはずだったのだ。

 やれることが増えてしまったのは、おおよそ野球のせいである。

 しかし野球に与えられたものは、多くの幸福を伴っていた。

 苦痛や苦悩さえもが、幸福の一部となっていたのだ。

(この試合も、レギュラーシーズンの一試合)

 敵地神奈川スタジアムで、直史も今日は先発である。

 一回の表にレックスの先取点はなく、直史はマウンドに登るのであった。




 スターズは明らかに下り坂である。

 武史がいた頃はかろうじて、成績的には上杉の役割を果たしていた。

 それがいなくなってからは、かなりの連敗も多くなっている。

 ただタイタンズも悟が抜けたので、勝てなくなったとは言えるだろう。

 そう考えるとやはり、チームの主力になる選手が、決定的な役割を果たしているのだ。

 

 セではフェニックス、パではジャガースが、ほぼ今年の最下位に決定している。

 もうこのまま順位は決定させて、ドラフトで少しでも有利になろう、という考えになっているかもしれない。

 ドラフトも昔から、かなり変わってきているところはある。

 MLBもそれは一緒で、昔は完全に成績の悪かった順であったのが、今はある程度シャッフルされている。

 一位指名を取るために、ほとんどわざと負けているという試合が、シーズンの終盤に多くなったからだ。

 正直なところドラフトに関してと、ルーキーの扱いなどに関しては、NPBの方がいいな、と直史は考えている。

 他にMLBは、育成に時間をかけすぎているところがある。

 25歳にもなってから、ようやくチームの主力になるというようなところ。

 だから日本のポスティングと、上手くマッチしているところはあるのだが。


 直史は今日のスターズを相手に、完全に省エネピッチングである。

 とにかく早めにゴロを打たせて、球数を節約したいのだ。

 八月の気候の中では、体力がなかなか回復しない。

 三時間もだらだらと試合をするのが、我慢できない直史である。


 野球人気は一時期、確かに落ちたと言える。

 だがサッカーの没落具合に比べれば、ずっとマシであるだろう。

 チームを作りすぎて、どうにもならなくなっているサッカー。

 日本も16球団構想などはあったが、それは独立リーグの存在によって、上手く埋められている感じがある。

 本当はそれでも、あと四球団ぐらい、あってもいいと思えるのだが。

 それぞれのリーグが八球団ずつになると、色々と計算もしやすくなる。


 直史は不思議に思うが、わざわざ調べないのは、どうしてヨーロッパなどではサッカーが成立しているのか、ということだ。

 もちろん今では放映権によって、大きな収入があることは知っている。

 また日本のサッカーに関しては、明らかにチームが多すぎることも問題だと分かる。

 逆に言えば野球が、上手く行き過ぎているということでもあるが。


 高校野球で一度、完全にプロと断絶するのがいい。

 サッカーなどはユースなどがあって、また代表戦などもあって、正直何をどう見たらいいのか分からない。

 週に一度しかないゲームでは、気楽に楽しむということが難しいだろう。

 もっともそれを言うなら、アメリカでは一番人気とも言われるNFLなど、さらに試合数は少ないが。

 アメリカとヨーロッパで、それぞれ人気のスポーツが違うことは悪くない。

 ただ直史はサッカーは、審判に下手くそが多いのが気になってしまう。

 野球でもたくさん、下手くそな審判はいるものだが。

 直史はその下手くそさを、逆に利用している側である。




 佐藤家は本当に、サッカーには全く興味がない家庭である。

 スポーツと言えば野球であり、中学時代にもサッカー部はなかったのだ。

 逆にバスケットボールは、かなり武史が好きであった。

 今は日本でもバスケットボールのリーグが出来ているので、いずれはサッカーと逆転するのではないか。

 そもそもストリートでも、バスケットボールの方がやりやすい。


 直史は高校時代に、アレクからブラジルのサッカー熱について、よく聞かされたものだ。

 なにしろ普通に、サッカーが原因の戦争などもあったのだから。

 南米においてはやはり、サッカーが一番であるという。

 そもそも貧しい国では、ボールの大きなスポーツが好まれる。

 なにしろボールもタダではないのだから。

 野球などは練習に、大量のボールが必要となる。


 ストリートでバスケを覚えて、そして体育館の中でデビューする、というルートが普通にアメリカではあるらしい。

 直史も見たが、確かに街の中にバスケのリングはあったものだ。

 コートにしても野球に比べて、はるかに小さな面積で出来る。

 もっともサッカーはサッカーで、フットサルという小型のサッカーがあったりするが。


 ライガースのファンというのは、本当に騒々しいし野次も汚い。

 グラウンドの中に物を投げ込むが、そんなものでは済まないのが本場のフーリガンだ。

 南米だけではなくヨーロッパでも、サッカーファンの無茶苦茶さはよく知られている。

 ライガースファンがおとなしく見える、というのがアレクの意見であった。

 まあかつてのNPBにおいて、客席で流しそうめんをしていたという話には、また別方向に困惑していたが。


 直史はボールを、その指先で操ることに、全力を注いでいる。

 ただしどういったボールを投げられるか、だけで野球は決まるわけではない。

 ピッチングというのは投げるだけではなく、相手のバッターがいるからだ。

 頭で考えて、バッターの読みを駆け引きで外す。

 完全にコントロールして投げられるなら、ピッチングというのは頭脳の作業なのだ。


 パワーとスピード。

 現代のスポーツはフィジカルだという。

 確かに最低限のものは必要で、木津も130km/hしか投げられないなどというが、130km/hは一般人からは遠い数字なのだ。

 もっとも現在は内野や外野の選手であっても、150km/hは投げるような強肩が求められたりする。

 パワーとスピードに単純化しすぎると、今度はその反動がやってくる。

 もっとも一度上がったパワーとスピードの条件は、そうそう落ちることはないだろうが。


 木津などは基礎体力は、直史よりもずっと上だ。

 ただし直史は少ない体力で、どう勝負するかを考えている。

 結果としては直史の方が、はるかに偉大な数字を出してくる。

 このあたりは野球に対する、思考力の差であると言えよう。


 フィジカルを落とさないためのトレーニングを、直史は続けている。

 だが基礎代謝というのはどうしても、40歳にもなれば落ちてくるものだ。 

 直史の遺伝子は、どうやら比較的老化が遅いものであるらしい。

 だからこそこの年齢でも、まだ完全なエースになっているのだが。




 とにかく試合の序盤は、フライやゴロを打たせることを重視する。

 出来れば追い込んだら、三振を奪っていくのだ。

 一点でもリードしたら、そこからスタイルを変えていく。

 直史は序盤と中盤と終盤で、ピッチングスタイルの変わる選手なのだ。

 あとはリードした点差でも、そのスタイルが変わっていく。


 序盤に外野フライは絶対にまずい。

 外野まで飛ばされるということは、長打になる可能性があるのだ。

 もちろんゴロであっても、一塁線や三塁線など、ベースに当たって変に跳ねて、ボールが転がっていくことはある。

 だが基本的にはゴロは、単打で終わるものだ。

 そしてレックスの内野の守備は堅い。


 緒方の動きがさすがに、衰えてきたかなとは思う。

 ただフィジカルの衰えは経験によって、上手く埋め合わせているのだ。

 セカンドは判断力が、一番求められる内野ポジション。

 直史の場合はピッチャーがフィールディングも上手いため、内野の守備がさらに堅くなる。

 しかし今日は比較的早めに、内野の間を抜けていくヒットを打たれてしまった。


 重要なのは無理をせずに勝つことである。

 若手のピッチャーなどは、目の前の試合に全力で、一つの勝ち星を狙っていく。

 だが直史のやっているピッチングは、根本的に思考の深度が違う。

 今はデータによって、ベンチからサインが出るのがMLBである。

 しかし実際にバッターに対峙してみれば、ピッチャーがそこから読み取れる情報は大量にある。

 そこからどの情報が、欺瞞情報かも読み解いていく。

 そして相手の意図していないコースに投げる。

 基本的にはこれで、ストライクカウントは稼げるのだ。


 追い込んでからの三振を取るのは、難易度が上がる。

 それよりはまだ、ボール球を打たせて凡退させる方が、簡単であったりする。

 プロともなればあえて、難しいボールはカットしてきたりする。

 なのでどれだけ簡単なボールと勘違いさせるか、というのも重要なのだ。


 好きなコースに、丁度いいタイミングで投げられると、むしろバッターはタイミングが狂いやすい。

 ほんの少しだけずらすと、それで打てなくなってしまうのだ。

 パワーがいくらあっても、上手くタイミングさえずらせば、おおよそは凡フライに終わる。

 それをスイングスピードで、無理矢理フェンスまで運ぶのが、今の時代のスラッガーである。

 大介のライナー打ちというのは、外野の足が間に合わないという点では、間違った選択ではない。


 この日の試合は、ヒットで出たランナーを、上手くダブルプレイで殺した。

 ランナーが出ても27人で終わらせれば、それはパーフェクトと同じ意味を持つ。

 球数が少なく終わってくれるなら、パーフェクトよりもそちらの方がいい。

 ただもっと重要なのは、肉体への負荷がどれぐらいかかるかということだ。

 球数が多くなれば、確かにエネルギーは必要になるのだろう。

 しかし全力投球と、上手く抜いたカーブの一球では、そのボールに使うエネルギーは違うものだ。




 同じフォームからあらゆる球種を投げる。

 しかしカーブとストレートでは、さすがにピッチトンネルが違う。

 スライダーやカットボールなら、上手く合わせることも出来るだろう。

 そして一番合いやすいのは、ツーシーム。

 ただしタイミングを外すためには、チェンジアップもほしいのだ。


 カーブを引っ掛けさせて、凡打にさせることは面白い。

 またチェンジアップで尻餅をつかせるような空振りを奪えば、それは次の打席への布石にもなる。

 スローカーブで完全に読みを外し、スイングさえさせることのない三振が、一番面白いであろうか。

 ただ高めのボール球のストレートでも、完全な空振り三振を取れたりする。

 だが楽なのはやはり、追い込む以前のボールでもって、ゴロやフライのアウトを取ること。

 特に打線が二点ほど取ってくれれば、上手く外野フライを打たせることも、選択の中に入ってくる。


 直史は基本的に、内野フライを打たせることがいいと考える。

 それもファールグラウンドの内野フライだと、より完璧と言えるであろう。

 落としてしまっても、ヒットやエラーにならないファールグラウンド。

 これがアメリカのスタジアムであると、けっこう狭いところが多いのだ。


 神宮などはキャッチャーの後ろに、かなりの空間が広がっている。

 そこに上手くキャッチャーフライを打たせることを、大学時代の直史は考えていた。

 樋口もそれはいい選択だな、と言っていたものだ。

 そのフライを捕るのは自分なので、面倒だとも思ったはずなのだが。


 外野がやや前進してキャッチするフライも悪くはない。

 だが長打を打てるバッターが相手なら、その外野を元の位置にまで戻して打たせる。

 少し後退して、フェンスに当たらずにキャッチする。

 そんな打球であれば、バッターは惜しかったと思うかもしれない。


 凡フライのはるかな延長には、ホームランがあるだろう。

 しかしスイングスピードやバレルを考えれば、フライアウトになるのは計算出来る。

 そういったことまで考えて、ホップ成分の高いストレートを使うのだ。

 あとは落ちてくるカーブであると、捉えるポイントがシビアになってくる。

 回転に加えて、重力で落ちてくるカーブ。

 これを無理に掬い上げれば、おおよそは外野フライまでに抑えられる。


 直史のピッチングは、ずっと工夫がされていく。

 長打になると怖い外野へ、それでも打たせていくというスタイル。

 相手のバッターはそれを見れば、どうしても長打への欲が見えてしまうだろう。

 しかしそこでわずかに力が入ってしまえば、結局ボールは届かないのだ。

 好きなところに打たせて、しっかりとアウトにしてしまう。

 今日の直史のピッチングは、まさにそういうものであった。

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