第154話 スラッガー

 適度なプレッシャーがあった方が、いいピッチングをしてくれるのが武史である。

 普段は気を抜きすぎている、とも言えるかもしれない。

 大介を打ち取った後、いきなりヒットを打たれてノーヒットの記録も途絶える。

 だがそこからしっかりと、また二人を三振に打ち取って、集中力を取り戻す。

 このあたりで試合の趨勢は、大きくスターズの方に傾いたと言ってもいいだろう。

 ただライガース打線も、全く手が出ないというわけではない。


 リードする福沢としては、基本的には力任せでいいピッチャーだ。

 しかし立ち上がりが悪いことや、自分で集中力をコントロール出来ないという点では、やはり上杉の方がピッチャーとしては上であろうと思う。

 偉そうなことを言っても、どちらも人間離れしたピッチャーであり、大介と共にフィジカルの極致のようなプレイヤーだとも思うが。

 これを上回る人間がいるというのが、どうにも福沢は理解出来ない。

 実在するのだから認めざるをえないのだが、どうやったら勝てるのかとも思うのだ。

 野球というスポーツの歴史の中では、スーパースターが数多く生まれてきた。

 だがあれはスーパースターと言うよりは、性質の悪いバグであろう。


 福沢は自らのバットでもチャンスを作り、スターズのリードを増やしていく。

 武史は素晴らしいピッチャーではあるが、どうしても上杉に比べると、信頼感で劣る。

 もっとも上杉の絶対的な支配力は、常にマイナスを考えるキャッチャーの立場から見ると、引退してしまえば欠点も見えてくる。

 とにかくチームが、一人のエースに依存しすぎていたのだ。


 証拠として挙げられるのは、上杉のいなかった二年間の記録である。

 いくらなんでも戦力的にはそこまでひどくはないはずなのに、二年連続でリーグ最下位。

 今年は武史が20個も貯金を作ってくれたのに、優勝争いに加わることが出来なかった。

 上杉がいればそれほど圧倒的なピッチングをしてくれなくても、重要な試合では勝ってくれていた。

 そんな無理がたたって、最後には上杉も壊れて引退した。


 野球というのは集団競技なのだ。

 もちろんその中で、ピッチャーの役割が大きいと言うのは、勝利への貢献指標を見ても、明らかなことである。

 ただ投げれば勝てるというようなピッチャーは、いてはいけないはずだ。

 そんなピッチャーはあらゆるバッターが総力を挙げて、勝たなければいけないはずなのだ。

 そもそもどんなピッチャーであっても、バイオリズムが崩れてしまい、負ける試合があるのが当然なのだ。

 それを1シーズンだけという限定でもなく、延々と勝利し続ける。

 世界に生まれた特異点のようなものではなかろうか。


 レックスのキャッチャー迫水は、しっかりとリードをしてはいるが、まだ甘いところがあるはずだ。

 しかし直史は、自らサインを出している。

 どのタイミングかは分からないが、自ら出しているし、逆に出していない試合もあるし、場面がある。

 さすがにノーサインで投げているとは思わないが、昭和の頃にはそういうピッチャーもいた。

 もっとも直史の変化球を考えれば、さすがにノーサインでキャッチするのは限界がある。

 特にあの、沈むジャイロボールなどは、股の間を抜いてしまう可能性が高い。


 あのピッチャーが衰えて引退する前に、力によって勝ってみたい。いや、勝つべきだ。

 現状それが可能そうなのが、武史が投げたスターズか、ライガースぐらいしかないというのが、おかしな話ではある。

 もっと勝たなければいけない、という意識を持つべきなのだ。




 福沢はそう考えているが、多くの選手はある程度、諦めてしまっている。

 ピッチングに重要なのはスピードではないと、事実でもって証明し続ける。

 実際にそうなのであるから、どうしようもないというのは本当だ。

 また武史にしてからが、兄に負けても当然だろう、という雰囲気であるのだ。

 その中で本当に、唯一とも言っていい例外が、大介なのである。


 相手が自分よりも、上であるということは認めよう。

 だが野球というスポーツは、それでも勝つことが出来るのだ。

 チーム同士の勝率で言えば、プロのチームなら七割は勝てない。

 他の競技に比べても、偶然性の高いスポーツである。


 今日の相手はスターズで、実際には武史だ。 

 まずはこれを血祭りに上げて、それからファイナルステージに進もうではないか。

 ライガースのファンとしては、そんなオラオラ気質で勝負に挑んでいる。

 だが実際のところ、チームの選手たちはそう甘い見通しはしていない。

 中盤に入って、武史はまたヒットを打たれたが、それが連打や長打にはならない。

 長打を打つにはフライを打たなければいけないが、それがこの試合の場合は、ほどんとアウトになってしまうのだ。


 ホップ成分の大きさは、昔からずっと言われている。

 なぜあんなにも奪三振が多いのか、とMLBでも散々に分析された。

 スピン量、軸、リリースポイント、角度などから、武史のストレートは限りなく落ちにくいストレートになっている。

 ホップするボールなどは、実際にはアンダースロー以外にはない。

 そのアンダースローにしても、一度ホップしてから落ちていくのが野球のボールだ。


 ランナーが出てしまったら、ギアチェンジして三振を奪いに行く。

 これにチェンジアップを組みあわせれば、ほぼほぼ打たれることはないのだ。

 大介の三打席目が回ってくるまでに、既に奪三振数は二桁に到達。

 今年の奪三振率も、相変わらず15近いという武史である。

 平気で300奪三振を超えているが、このあたりは直史と比べても、あまり衰えていないと言えよう。


 実際のところ武史は、一番いいチームを選んだと言える。

 一番キャッチャーのいいチームだ。

 少なくともリードに関しては、福沢は長年総合的に、ナンバーワンキャッチャーと呼ばれているのだ。

 レックスやライガースには負けるが、それなりにピッチャーの成績がいいのは、福沢のキャッチャーとしての能力による。

 MLBではサインは、もうベンチから出るようになっている。

 しかしその通りに投げても、打たれることは普通にあるのだ。


 14勝7敗がキャリアワーストで、帰国した武史。

 だが勝ち星が負けの倍もあるというのは、立派過ぎる成績である。

 それにこんな数字を出していても、奪三振数はそれほど落ちてはいない。

 チームの戦略が変わっていって、その変化が武史に合っていなかったというのが、実際のところであろう。

 リードの力によって、ピッチャーの成績が明らかに変わる。

 とは言っても力押しだけでも、どうにかなるのが武史の球威と球質である。




 二点目が入って、どうにか安心できた六回の裏。

 大介の三打席目が、ツーアウトランナーなしでやってくる。

 ホームランを打たれても一点、というこの場面は、間違いなく勝負。

 申告敬遠を出されることもなく、スタンドの盛り上がりもまた最高潮に上がっていく。


 ツーアウトからなら歩かせてしまっても、得点になる可能性は低い。

 純粋に可能性を考えるならば、大介を歩かせて次を抑えれば、それでいいのだ。

 しかしもっと常識的に考えれば、大介を歩かせても次はクリーンナップ。

 ホームランを打たれでもしたら、同点となってしまう。

 そして武史のボールはホップするので、ゴロを打たせるよりはフライを打たせることが多い。

 つまりそれなりに、ホームランも打たれているのだ。

 この被本塁打率においては、完全に上杉の方が武史よりも上である。


 ここで大介を抑えても、四打席目は回ってくる。

 それは分かっているが、ランナーのいない状況の大介ならば、脅威度はガンガンと減っていく。

 単純にホームランを打たれた時の、入る点数が変わってくるからだ。

 ランナーなしの場面で、序盤の流れも決まっていないところなら、最悪を考えて対決するかどうかを決めればいい。

 だがこの場合は、完全に勝負一択であるのだ。


 ここもまた、考えるのは福沢の役目である。

 ただ二打席目の首を振らせるサインは、もうあまり効果はないと思ったほうがいいだろう。

 最終的に投げたのは、全力のストレートであったのだ。

 あれは武史が大介に対しては、本来ならば投げないボールのはずであった。

 福沢の要求が、最後でああなったと考えるのは、おかしいと分かるはずであろう。


 実際に大介も、おおよその内情は推察している。

 大介は学校の勉強はお粗末なものであったが、地頭は相当にいいし、それ以上に直観力に優れている。

 普段から全く首を振らない武史が、あそこまで何度も首を振っていた。

 つまりそういうサインがあった、ということなのであろう。

 なぜそんなサインがあったのか。

 これはリードではなく、バッターの心理を惑わせるためのものだ。

 普通ならピッチャーは、首を振って頷いたなら、全力のボールを投げてくる。

 しかし大介相手であると、そんなボールは間違いなくホームランボールだ。

 だからこそ逆に、違う球種だと考えてしまった。

 ほんのわずかな備えが、むしろ肉体の反射を遅らせてしまったのだ。


 三打席目、ここで打たなければ、この試合はおそらく決まる。

 まだ二試合あるし、そこでは武史は投げてこないので、ライガースの勝算は充分にある。

 ただ相手の得点を、最低限に抑えていく守備も、スターズの特徴の一つだ。

 この試合に負けたとしても、確実に点を取ったという事実は、残りの試合に影響してくるだろう。

 そう考えればソロホームランであろうと、充分に打っていく価値はある。




 申告敬遠とヒット一本で、今日のライガースはほぼ完全に抑え込まれていた。

 だが点差はわずかに二点と、一打逆転であるのは間違いない。

 ここで大介がホームランを打てば、四打席目にもう一本打ってもらって、同点に追いつくことが出来る。

 いくら大介でもそこまでホームランは打っていないぞ、と統計を出してくる人間もいるかもしれないが、その統計は間違っている。

 大介はボール球だと分かっていても、打てそうならば打ってしまうため、そういう結果になっているのだ。

 ゾーンだけで勝負してくれるなら、もっとたくさん打っていたであろう。


 今年の大介はヒットの数は前年とほぼ変わらない。

 だが単打とホームランは減ってしまっている。

 しかしながらツーベースヒットが、極端に多くなっている。

 これを見れば普通は、深く守っていればそれで、かなりを外野のライナーアウトに出来るのでは、と思えるぐらいだ。

 実際には確かに、弾道がやや低くなってしまってはいた。

 それでも野手のいないところに、ボールは落ちて転がっていく。


 前年よりも明らかに減ったのは、スリーベースである。

 そこまで深く守っていると、ツーベースはともかくスリーベースは、よほどライン際でスピンでもかからない限り、打てるものではない。

 そのあたり今年の大介は、一発はそれほど怖くはない。

 55本も打っているホームラン王だが、これまでの実績と比較すると、なんだか感覚がおかしくなってくる。

(ホームラン以外ならいい) 

 福沢もこの状況は、完全に割り切って考えている。


 小さな体格からのレベルスイングで、1000本以上のホームランを打ってきた。

 だが正確にはほんのわずかだが、ダウンスイングで入ってアッパースイングで出ているというのは、他のスラッガーと同じ事なのだ。

 バットの軌道とボールの軌道を合わせる。

 その当て勘というのが、完全に他よりも優れている。


 単純にパワーと言うのならば、大介は絶対に、その体格からパワーの総量は小さい。

 だがどう体を使えば最も効率的に力が伝わるのか、それを先天的に知っている。

 瞬発力で重いバットを振り回せば、あとは手はバットを固定するだけ。

 踏み込みと腰の回転で、ボールをスタンドまで運ぶのだ。

 腕ではなく腰で打つ、と大介は発言している。


 福沢は大介のホームランをいくつも確認しているが、なぜその体勢で打ってホームランになるのだ、という打球が多い。

 外角や低めのボールを、明らかに膝の力を抜いて、地面を蹴らないように打っているスイングと思えるからだ。

 それこそが腰の回転が重要なのであろう。

 足はもう、地面を支えるだけでいい。

 ただやはり飛距離の出るホームランは、しっかりと足の裏が地面をつかんだコースになっている。


 重要なのはスタンドに入れるだけで、場外ホームランを打ったらといっても二点分にはなったりしない。

 だが大介は不充分な体勢でも、ホームランになるほどのパワーをスイングに込めている。

 それが充分な体勢でバットに当てられたら、場外までも飛んでいくというわけだ。

 甲子園で場外ホームランを打ったのは、これまでに大介だけである。




 武史は武史で、大介と同じチームであった期間も長いので、逆に福沢などから尋ねられたこともある。

 だが大介の明確な弱点と言えるのは、サウスポーのスライダー。

 それも真田のような高速で鋭いスライダーで、武史のナックルカーブがかろうじて、その要素を持っているだろうか。

 実際に今も統計では、そういうボールはあまり打てていない。

 基準が基準なので、ゾーン内にちゃんと入っていれば、普通に三割は打っているが。


 武史の場合はナックルカーブ以外にも、わずかに変化するカットボールもある。

 ほとんどムービングなので、あまりこれは効果がないが。

 統計で言うならば、大介は内角のボールを、さほどホームランにしていない。

 ただそれは内角を苦手としているのと、同意ではないのだ。

 むしろ外のボールで、逃げ気味に勝負をされている。

 だからこそ外のボールが得意になって、それをスタンドに放り込む技術が成長したわけだが。


 内角に投げられる場合は、むしろデッドボールにするようなボールを投げられることが多い。

 特にMLBにおいては、報復死球というものが存在した。

 こちらが主砲に当てられたら、向こうの主砲に当ててお返しするというわけだ。

 しかし大介としては、当てられるボールというのは同時に、バットが届くコースのボールでもある。

 ならば打ってしまえばよかろうなのだ。


 しかし内角の、自分に当たるようなコースなどは、上手く遠心力が使えない。

 つまり内角の方が、ヒットは打たれても長打になる可能性は、比較的低くなる。

 このあたりの異常性までも含めて、大介の数字は計算しなければいけない。

 ただの内角であれば、そのまま腕を折りたたんで、ホームランにしてしまうのだ。


 そんなわけで初球は、内角高めに全力のストレートを、というリードとなった。

 武史のスピードを、最も活かすコースでもある。

 目に近いコースというのは、それだけ見極めやすくはある。

 だが同時に近すぎると、その速度によるが見逃してしまう。

 160km/hのボールであっても、バッターボックスの外から見れば、普通にボールを追うことは出来る。

 しかしバッターボックスの中では、消えたようにしか見えない。

 この理屈で、目に近いボールほど、スピードがあれば打ちにくくもなる。


 インハイのボール。これを投げられると、武史のスピードであるならば、ゾーンの範囲内であっても腰が引ける。

 しかし大介は例外であり、しかもこれにスイングを合わせてきた。

 バットの割と根元の方であろうに、振り遅れるどころか確実なミート。

 ただ力が伝わりすぎたため、ボールは右方向に切れていった。

 ファールボールでまず、ストライクカウントから入ることが出来た。




 一つストライクを取るだけで、どうしてこんなに苦労しなければいけないのか。

 普通なら武史のスピードがあれば、基本的な配球をちょっといじるだけで、相手のバッターは三振の山となる。

 だが大介はパワーピッチャーが大好物で、160km/hぐらいならば平然とスタンドに放り込んでしまう。

 バッターは加齢と共に、スピードボールには弱くなっていくものだが、大介にはまだその傾向は見られない。

 いや、弱くなってこのレベルなのかもな、と福沢は思ったりもしたが。


 インハイのボールの次は、アウトローのボールで勝負する。

 対角線での組み立ては、配球の基本の一つだ。

 そう上手くコントロール出来ないものであるが、武史は出来る。

 上杉と同じく武史も、パワーピッチャーでありながら同時に、コントロールにも優れたピッチャーなのだ。


 このコントロールの技術については、若手のピッチャーも色々と質問していた。

 それに対して武史も、気さくに対応していたのだが、今からでは身につかないものではないか、というのがその答えであった。

 10代の前半までには、人間は体幹のバランス感覚が完成するとも言われる。

 よくバレエなどでは、13歳ぐらいまでに始めなければ、もうそれ以降に志しても無理、と言われる類のものだ。

 武史はそのボディコントロールを、ダンスをする妹たちを見て、自然と自分も学んでいた。

 バスケットボールにおいて、空中でのボディバランスを維持するために、体幹を鍛えて体軸を意識するようになった。

 それは脳の、体勢を維持する部分を鍛えるということである。


 もちろん長じてからでも、全くやって意味はない、ということもないだろう。

 だが幼少期からの蓄積というのは、本当に馬鹿にならないものなのだ。

 女性のフィギュアスケーターや、あるいは体操選手などは、その全盛期が10代の半ばまでに来ることも珍しくはない。

 佐藤兄弟はそういう蓄積があって、あのコントロールに結び付けているというわけだ。


 弟もたいがいであるが、兄はさらにひどい。

 いや、違う。ひどいのではなく凄い。

 ボール一個分どころか、半個分のコントロールを、正確につけてくる。

 また緩急のコントロールに、変化量のコントロールなど、それを段階をつけてきているらしい。

 実際にそういう記録が残っているのだが、これを本当にコントロールしているのか、国際大会で少しだけ組む機会があった福沢も、唸るぐらいのものであった。


 大介を打ち取るためには、むしろああいうタイプのピッチャーの方がいいのだろうな、と思う。

 別に大介に限らず、パーフェクトの達成回数や達成率は、完全に直史が上であるのだが。

 そもそも1シーズンあたり、点を取られる試合の方が圧倒的に少ない。

 防御率が0.5を軽く下回るピッチャーなど、この世にいていい存在なのか。

 チートなどという言葉も使われるが、それはちょっと違うだろう。

 佐藤直史のやっていることは、人間の出来ることの範囲だ。

 しかしその微調整を、機械よりも正確にやっているだけなのだ。


 それはそれとして、まずは目の前の敵である。

 アウトローにまた、全力のストレートを、わずかに一個分ほど外れるカットボールで投げてもらう。

 普通のアウトローの全力ストレートなら、打ってホームランにしてしまうのだ。

 だがボール球で、しかもカットボールの角度がつけば、どうにかファールにはなるだろう。

 福沢としてはそれで、ツーストライク目を取りたい。


 アウトローのボール、見逃されても仕方がない。

 しかし大介はバットを出し、しかもそのスイングは速かった。

 アウトローというのは、遠心力がもっともかかるコースでもある。

 ただ今回はカットの変化の分、わずかにボールをジャストミートしすぎた。

 打球はそのまま、サードの頭を越えてレフト方向へ。

 レフト線ぎりぎりを、ほぼフェンスの位置にまで達した。

 大介は一塁を蹴り、普通にツーベースヒット。

 あのコースをどうして簡単に長打にしてしまうのか。

 ただこれで、ホームラン以外という条件は達成した。

 及第点ではないが、赤点でもなかった。


 ツーアウトランナー二塁というのは、もうそれほど恐れる事態ではない。

 いや、ワンヒットで一点が入ってしまう、という点では問題なのだが。

 しかしここからは、武史のストレートの威力で相手を制圧する。

 続く三番もスピードボールには強かったのだが、見事に内野フライでアウト。

 ランナー残塁で、2-0のまま試合は進んでいく。

 福沢としてはかろうじて、息が出来るようになる展開が続いていくのだ。

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