解説 都市神

 都市神というものについて解説します。


 まず前提としてメソポタミアでは王権天授説についての知識から。

 この時代の人々にとって王は神の代理人で、王権とは神から授かるものでした。このあたりの考え方は中世ヨーロッパに至るまで継承されています。

 さらにこの時代では大部分の都市が都市国家の様相を呈しており、町=国、という考え方でした。

 反対に定住を行わない遊牧民などを野蛮人として扱っていたようです。

 それゆえ都市ごとに奉じている神が違っており、都市ごとにその都市の守護神がいました。 しかし別の神の信仰もある程度受け入れられているようでした。

 一方で王の神格化はあまり盛んでなく、現人神というより、功績を成した王や、死後に神として扱われる程度で、神としての格も低く扱われたようです。

 そういう信仰のあり方だったためか、個人単位でも神がいたようで、日本人の感覚だと守護霊のようなものがあったようです。

 ある意味メソポタミアの都市国家もまた、八百万神の国とも言えるかもしれません。

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